高速リリースを阻む“品質”の罠、DevOps実現に「シフトレフト」が不可欠な理由
ソフトウェア開発の品質確認は「評価」から「改善」へ
新たなテクノロジーや企業内外のさまざまなデータを活用し、サービスやビジネスをスピーディに市場に投入していく。そのための手法として注目されているのが、アジャイル型の開発だ。開発と運用が連携して開発を進めるDevOpsなどを取り入れ、開発スピードを高めることで、競争力を強化する。ただし、ここで問題となってくるのがソフトウェアの「品質」だ。マイクロフォーカスで製品マネジメントディレクターを務めるRenato Quedas(レナト・ケーダス)氏は、「開発スピードを高めようとすると、品質に対する考え方を変えることが必要になってくる」と指摘する。
従来型のウォータフォール型の開発では、品質確認は、開発後の工程に品質テストを行うことで「評価」していた。しかし、大規模なテストを長期間行うには時間もコストもかかるし、そのぶん、事業にとってのリスクが大きくなる。
そこで注目されるのが、開発工程のすべての工程に品質改善のプロセスを組み込み、継続的に品質を改善していく「シフトレフト」という考え方だ。
「シフトレフトにより、品質を損なうことなくテスト工程を前倒しできるようになり、結果、開発全体の時間を早める(左へ移す)ことが可能になります。つまり、シフトレフトを繰り返すことで、ソフトウェア開発における品質確認は『評価』から『改善』に変わるのです」(ケーダス氏)
シフトレフトの考え方自体は新しいものではない。品質テストの結果がすぐわかるメリットがあるため、サービスやソフトウェアの市場投入のスピードも上がることから、シフトレフトの開発手法を導入している企業も多い。
ケーダス氏は「もちろん、国などによって導入実績は異なります。市場投入までの時間短縮への要請が強い国では、顧客が期待する品質担保の必要性からテストのやり方を変える方法論としてシフトレフト採用が進んでいます」と指摘する。
日本での取り組みについては、「企業単位で進捗度合いに違いが見られます」とケーダス氏は語る。一般的に、DXに積極的に取り組む企業はシフトレフトに積極的だ。
一方、従来のウォーターフォール型の開発を行う企業であっても、新規ビジネスは、プロジェクト単位でアジャイルやDevOpsのアプローチを取り入れ、シフトレフトを実行している企業もあるという。どのようにテクノロジーや手法を採用すれば「DXを叶えるシフトレフト」が可能になるのだろうか。
・AIで「テスト」はどこまで効率化できるか
・AIは「保守の自動化」も推進する
・品質テストへの投資で3億6000万円を「圧縮」
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