製造/保険/港湾、3業界の事例で見えてきたエッジコンピューティングの「使い方」

なぜ今、多くの企業がエッジコンピューティングに向かうのか
企業を取り巻く環境は今、大きく変化している。こうした時代に迅速かつ柔軟に適応するためにも、データの重要性は間違いなく高まっている。しかし、見るべきデータの量も種類も爆発的に増えている。IoTはすべてのモノと人をつなぎ、アクセス可能なデバイスは2025年までに数十億台にまで拡大すると予測されている。自動車や金融端末、医療端末といったさまざまな“現場”のデバイスはよりインテリジェントになって、有用なデータがどんどん集められていく。
加えて「超高速・大容量」「超低遅延」「超多数同時接続」といった特徴を持つ5Gの本格的な普及が、データをさらにスムーズに収集しやすくするだろう。
こうして生み出された有用なデータを活用することが、これからの競合優位性につながることは明白だ。そのために、企業が改めて問い直さなければならないのは、データを「どこで処理(収集・分析・判断)するのか」という問題だ。
これまで企業が所有するデータは、オンプレミスであれクラウドであれ、「中央」のエンタープライズシステムに集められ、処理されるのが一般的だった。IoTの発展で中央ではなく「現場側」(エッジ)で有用なデータが生成されるようになると、これらを中央に集めること自体に大きな運用負荷や通信コストが発生する。リアルタイム性も低下してしまうし、セキュリティ面でもリスクがあるだろう。
そこで「データを発生源により近い場所(エッジ)で処理する」ことが有力な選択肢になるわけだ。これがいわゆる“エッジコンピューティング”の考え方である。
エッジコンピューティングは決して遠い未来の話ではなく、すでに今、あらゆる業界でビジネスに革新をもたらしている。ここからは、フランスの大手保険グループやヨーロッパ最大の港であるロッテルダム港事例、安川電機の米国支社のユースケースなどを紐解きながら、さまざまな業界に通じるエッジコンピューティングの「上手な使い方」について探っていこう。
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