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  • 2023/06/07 掲載

製造業で生成AIはどんな役割を果たすのか? ドイツで見たMSやシーメンスらの取り組み

連載:第4次産業革命のビジネス実務論

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ハノーバーメッセ2023の現地レポートの最終回となる今回は、AI&マシンラーニング領域で存在感を放っていたジェネレーティブAI(生成AI)に関連して、マイクロソフトのOpenAIとの取り組みやベッコフオートメーション、シーメンスの動きを取り上げます。さらに、これまでのハノーバーメッセから本年の発表に至る潮流を解説するとともに、ドイツ現地を訪れて見えた日本の製造企業が学ぶべきことなどについて考察します。

執筆:東芝 福本 勲

執筆:東芝 福本 勲

東芝 デジタルイノベーションテクノロジーセンター チーフエバンジェリスト
アルファコンパス 代表
中小企業診断士、PMP(Project Management Professional)
1990年3月 早稲田大学大学院修士課程(機械工学)修了。1990年に東芝に入社後、製造業向けSCM、ERP、CRM、インダストリアルIoTなどのソリューション事業立ち上げやマーケティングに携わり、現在はインダストリアルIoT、デジタル事業の企画・マーケティング・エバンジェリスト活動などを担うとともに、オウンドメディア「DiGiTAL CONVENTiON」の編集長をつとめる。主な著書に『デジタル・プラットフォーム解体新書』『デジタルファースト・ソサエティ』(いずれも共著)がある。その他Webコラムなどの執筆や講演など多数。また、企業のデジタル化(DX)の支援/推進を行うコアコンセプト・テクノロジーなどのアドバイザーをつとめている。

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製造業でもマイクロソフトとOpenAIの生成AIが台風の目になっている
(後ほど詳しく解説します)

生成系AI関連の発表が急増

 AIは現在、プラントや機械工学の分野での活用がはじまっています。こうした中、産業界におけるAI活用について、今後重要性を増すトピックスを各社が訴求していました。

 特に、新たなテクノロジーであるOpenAIなど生成系AIの積極活用が目立ったのも今年の特徴です。

 最初に取り上げるのはベッコフオートメーションです。同社の磁気浮遊型輸送システム「XPlanar」は2021年に発表されたもので、従来の搬送技術の長所と磁気浮上を組み合わせ、個々の製品を、どのような経路でも、どのような場所にも搬送することができるものです。

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ベッコフオートメーションのXPlanar
(出典:筆者撮影)

 XPlanarは、自由度と精度を6次元の製品ハンドリングに利用できるので、個々の生産工程を大幅に簡素化することができます。XPlanarの自己位置推定を製品化したものが、同社のマシンラーニングソリューションであるTwinCAT Machine Learningだということです。

 また、XPlanar実現の背景には非接触充電技術があり、XTS with NCT(ノーケーブルテクノロジー)と呼ばれる非接触給電により新しいインテリジェントな搬送を実現しています。

 さらに、ベッコフオートメーションはOpenAIによるPLCソフトのプログラミング自動化を実演していました。OpenAIを用いることで、PLCのラダー言語のプログラミングをユーザーサイドで自動実行可能であり、ユーザーの自由度が高まるとしています。

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ベッコフオートメーションのOpenAIによるPLCソフトのプログラミング自動化
(提供:ベッコフオートメーション)

マイクロソフトはDynamicsでOpenAIとの連携を訴求

 マイクロソフトはOpenAIの大規模言語モデル活用事例として、Microsoft Copilot活用事例を展示していました。これについては、データがバラバラなものをマッシュアップし、活用するところでは結構使えそうだと感じました。

 Azure OpenAI Serviceは、OpeAIにマイクロソフトのユーザーの情報を追加学習させることが可能であるとしており、それは他のユーザーには公開されないとしています。

 設備保全にOpenAIを活用したデモでは、Microsoft Dynamicsのフィールドサービス内に蓄積されたメンテナンス記録や報告書データをOpenAIが学習し、新たなトラブル発生時に、どういう事象であるかを推定し、保全担当者をサポートする流れを説明。画像認識をして、過去の近い事例をピックアップし、それを人が確認し、Dynamicsでオーダーを作って連携するという動きを実演していました。これには、画像対応しているChatGPT4が利用されているとのことです。

マイクロソフトの設備保全にOpenAIを活用したデモ
(出典:筆者撮影)

 また、製造現場のさまざま情報をマッシュアップして、使う側のコンテキストに合わせてOpenAIが整理し直すようなデモも行われていました。人が話を聞いたときに自然な回答を得ることができ、英語のやり取り結果のレポートを日本語で生成するなども行われていました。

シーメンスはマイクロソフトと連携してOpenAI活用

 シーメンスはマイクロソフトと連携し、OpenAI活用を進めていくことを発表しました。

 シーメンスのPLMソフトウェアであるTeamcenterとMicrosoft Teams、Azure OpenAI Serviceの言語モデル、その他のAzure AI機能の統合を進めるとしています。

 PLCのコード生成の加速でも協力していくとしており、OpenAIやその他のAzure AIサービスをシーメンスのインダストリーオートメーション製品に取り入れていくとともに、インダストリーAIを活用した製品不具合の発見と防止にも取り組んでいくことを明らかにしました。

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シーメンスとマイクロソフトとの連携発表
(出典:筆者撮影)

 シーメンスは新たなオープンデジタルプラットフォームで戦略であるSIEMENS Xceleratorを発表しており、マイクロソフトとの連携もその一環となります。

 IoTの価値は独立した単一のプラットフォームでは生まれず、さまざまなソフトウェアやハードウェアの組み合わせによって成り立つものであり、SIEMENS Xceleratorの中にはさまざまなアプリケーションモジュール群が組み込まれています。

 SIEMENS Xcelerator は、IoTに接続されたハードウェアとソフトウェアのポートフォリオ、パートナーの強力なエコシステム、およびマーケットプレイスを特徴とする、新しいオープンなデジタル ビジネス プラットフォームになっています。 【次ページ】AWSの産業機器向けAIサービス「Amazon Monitron」とは

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