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- 2025/05/26 掲載
現地取材で確信した…BYD・CHERYら中国勢「爆伸び」のワケ、焦るトヨタの打開策は?
執筆のメインフィールドは自動車関係。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。特にインタビューを得意とする。見えにくいエンジニアリングやコンセプト、魅力などを分かりやすく説明できるよう心掛けている。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を約10年経験。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員、自動車技術会会員、環境社会検定試験(ECO検定)。
中国の街中を走る自動車でわかる…日本と違う“当たり前”
中国のモーターショー取材は、コロナ禍があったこともあり、2018年の北京以来となります。数年ぶりに上海取材に訪れると、街を走るクルマの顔ぶれがすっかり変わっていました。2010年代の上海は、ドイツ車を中心とした欧米のクルマが街の主役でした。フォルクスワーゲンや、プジョー、シトロエンのタクシーやクルマが街中を走り回り、その間に少数の黒塗りのアウディ、メルセデス・ベンツ、さらに日本車がポツポツと走っている、といった状況でした。
ところが、久しぶりに上海を訪れてみると、街を走るクルマは、日本や欧米では見たことのないクルマばかり。そのほとんどが中国メーカーのオリジナルの車種でした。
あれほどたくさん見かけたフォルクスワーゲンのタクシーは、驚くほど減っていたのです。また、走行するクルマのナンバーは、半数以上が白と緑。つまり、電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッド(PHEV)、そして燃料電池車(FCEV)からなる新エネルギー車(NEV)です。
以前から、中国は国を挙げて、エネルギー車普及に力を入れていましたが、2024年に至っては、前年比35.5%増となる約1287万台を記録。これは中国全体の新車販売の約40%を占めるほど。中でもBYDが2024年に前年比41%増、年間新車販売台数約427万台という驚くべき数字を叩き出し、国内ナンバー1の自動車メーカーになれたのも、こうした新エネルギー車の急増が背景となっているのです。
日系メーカーは「中国市場」をどう攻略する?各社の狙い
そうした状況下で開催された上海モーターショーですから、出品されていた新型モデルは、ことごとく“新エネルギー車”でした。たとえば、日系メーカーの展示車は下記のようなものでした。-
■上海モーターショー「日系メーカーの出展車」
- トヨタ ・ラージセダン「bZ7」
- ホンダ 「ye(イエ)」シリーズ第2弾の4ドアクーペ「広汽HONDA GT/東風HONDA GT」
- 日産 ・セダン「N7」
- マツダ ・クロスオーバーの「EZ-60」
・レクサス「ES」
・ピックアップトラック「フロンティアプロ」
これら展示車のパワートレインは、トヨタの「ES」がBEVとハイブリッド(HEV)、日産の「フロンティア・プロ」がPHEV、マツダの「EZ-60」がBEVとPHEVで、それ以外は純BEVです。つまり、「ES」のHEV版以外は、すべてが新エネルギー車となります。
また、これらの中で、日本市場への導入が予告されたのは「ES」のみです。つまり、そのほとんどが“中国専用車”となっているのです。
さらに、その開発自体も、「ES」以外のモデルは中国での現地開発でした。現地のパートナーとなる中国自動車メーカーとの共同開発、または中国に開発部門を移しての現地開発となっていたのです。
中国市場を意識する…「トヨタの戦略」の驚きの内容
ここで、注目したいのはトヨタの動きです。トヨタは、今回の上海モーターショーにおいて「RCE(リージョナル・チーフ・エンジニア)制度」の導入を発表しています。
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