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- 2025/05/20 掲載
【資料付】若手120万人減で製造現場“崖っぷち”、脱・人任せへ「AI活用」事例で解説
製造業の若手が20年で「なんと120万人減」
日本の製造業は高度経済成長期を支え、世界に誇る「モノづくり」の技術を築き上げてきました。しかし、近年の少子高齢化による労働人口の減少は、製造現場に深刻な人材不足をもたらしています。経済産業省「労働力調査」では2002年から2021年の20年間で製造業就業者が150万人減少したという報告があります。特に減少が激しいのは34歳以下の製造業就業者で、120万人もの若者が製造業から去ってしまっています。このままでは、日本の製造業が誇る高い技術力や品質が失われ、国際競争力の低下につながる可能性も懸念されます。人材不足と技術伝承の課題解決は、製造業の未来を左右する喫緊の課題と言えるでしょう。
こうした状況を打破する鍵として、AI技術に注目が集まっています。AIは、熟練工・ベテラン作業者の動作や判断を学習し、その技を再現するだけでなく、これまで人間では不可能だった高度な分析や制御を可能にします。AIを活用することで、人材不足の解消、技術伝承、そしてさらなる生産性向上を実現できる可能性を秘めているのです。
製造業における主な「AI活用7つ」
では実際にはどのようなところでAIが活用されているのでしょうか。製造業では主に以下の7つの場面でAIを活用されている実績があります。- 品質管理
- 外観検査の自動化:従来目視でしか行えなかった検査工程のAIの置き換え
- 不良品原因の分析:不良データ(画像、数値データ)の機械学習
- 生産性向上
- ロボットによる自動化:AIカメラやセンサーなどAIを搭載したロボットによる自動化
- 生産計画の最適化:複雑な立案条件おいて計画を最適化
- 設備の故障予測:工場の機械設備の予防保全
- 研究開発
- 新材料の開発:AIを用いて膨大なデータから新材料の候補を探したり、材料の特性を予測
- 製造プロセスの最適化:AIによるシミュレーションにより製造プロセスを最適化
AIが活躍できるのは、上記だけでありません。上記は実績を示しただけで発想やアイデア次第でAIの利用箇所はたくさんあると感じています。
とは言えまだAIを活用している企業はごく一部です。また実際に取り組みを行おうとした際、どこでAIを活用できるのか? AIは何ができるのか? という質問をよく伺います。さまざまな技術が出てきているため、どの技術が適切かは判断が難しいところです。
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