生産管理システムの再構築で重視すべきポイント
製品ライフサイクルの短縮化、短納期要求、頻繁な注文変更、低価格化要求、高機能・高性能要求、多種少量要求、物流商流の分離など、製造業、中でもB2Bの製造業を取り巻く状況は年々、厳しくなっている。
そこで多くの製造業では、在庫運用体制の見直し、管理のスピードアップ、納期回答の迅速化・精度向上、リードタイムの短縮、少量多頻度生産、標準化設計などを目的にサプライチェーンの再構築を進めてきた。
「2000年問題を機に、ERPを導入した企業も多い」と元TDKの情報システム部で統括部長を務めた山口知昭氏は振り返る。山口氏はTDKで情報システム部統括部長を務めるまでは、生産設備の開発に携わった後、生産ラインの立ち上げに携わるなど、生産の現場も熟知している人物だ。
山口氏は生産管理システムで重視すべきポイントとして、次の3点を挙げる。
第一は在庫精度がどうか。「ピッキングや棚戻しの誤りなどにより、正しい在庫数量の把握は考えているより難しい。しかも在庫数量単位は複数ある。倉庫管理と一体となって改善が必要」と説明する。
第二は工程能力、設備負荷、部品表などのマスター精度。品番などの発版部門とワークフローが定まっていなかったり、マスター管理部門がマスターごとに決められていなかったり、現場と管理部門の連携が取れなかったりしていないことも多い。