15年間にわたり世界4万人以上の経営者にインタビュー
デジタルとフィジカル資源を統合し、データを駆使して新たなビジネスモデルを作る「デジタルトランスフォーメーション(DX)」に取り組む企業が増えている。そうした企業にとって、CIOの役割はどのように変わってきているだろうか。
「ここ数年でCIOに求められる要素は大きく変わってきています」と述べるのは、日本アイ・ビー・エムの森 祐之氏だ。
IBMでは、15年間にわたり、世界4万人以上の経営者にインタビューを実施。その結果を「IBMグローバル経営層スタディ」としてまとめている。これによると、「今後2、3年で自社に影響を及ぼす外部要因は何か?」という設問に対し、「市場の変化」(69%)、「テクノロジー」(63%)、「人材・スキル」(61%)という回答が上位を占めた。
「このように、CIOを含むあらゆるCXOにとって、テクノロジーが大きな経営の関心事になる傾向は、2010年ごろから顕著です」と森氏は述べる。そして、テクノロジーへの関心の高まりとともに、CIOの役割も変わってきているというのだ。
CIOに求められる使命(タイプ)を「Leverage(効率追求型)」「Expand(協業拡大型)」「Transform(価値連鎖変革型)」「Pioneer(ビジネスモデル変革型)」に4つに分類すると、日本では従来型のCIOにみられるような「Leverage(効率追求型)」「Expand(協業拡大型)」の役割を求める経営者が約7割であるのに対し、「Transform(価値連鎖変革型)」「Pioneer(ビジネスモデル変革型)」の役割を求める経営者も3割近くにのぼるとCIO Study 2011の調査で判明した。その後さらにビジネス寄りの「Transform(価値連鎖変革型)」「Pioneer(ビジネスモデル変革型)」の役割を担うCIOが増えている。
すなわち、CIOには「ビジネスを変革する」役割が徐々に期待されるようになっているのだ。
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