スーパーマーケットは20~30年、ほとんど変わっていない
──まずは、現在の小売・流通業界が抱えている課題についてお聞かせください。白石 卓氏(以下、白石氏):人手不足、少子高齢化、人件費高騰など、小売・流通業界は厳しい環境にあります。さらに、テクノロジーの進化によって、顧客のエクスペリエンスも進化するとともに、異業種からの参入も容易になり、競争はさらに激化しています。
また、一般に小売・流通業界は変化への対応も遅れています。一部、コンビニのような例外もありますが、私の属しているスーパーマーケット業界は、ここ20~30年、ほとんど変わっていません。外部環境がこれだけ変わっているのに、自分達が変わらないまま成長を続けられるはずがないのです。
したがって、生き残るにはデジタル・トランスフォーメーション(DX)が不可欠です。ただ、現在のDXの定義は曖昧だと感じています。もちろん、AIやIoTなども重要ですが、DXにはビジネスプロセスの変革やデータの整備、基幹システムやインフラ運用などの構造的な変革に加え、人や組織の改革なども含んだ、DXをより広い定義で考える必要があると思っています。

バイス・プレジデント CIO
白石 卓也氏
──ビジネスをデジタルで支援する立場のIBMとしては、現在、企業が抱えている課題や危機感をどう見ていますか。
住山 豊氏(以下、住山氏):DXをやらなければならないという危機感は、流通業だけでなく、すべてのお客様に共通しています。特に企業のCIOの意識は、DXをリードする立場のプレッシャーも、攻めと守りの双方のIT改革をしなければならないという意識も、数年前と現在ではかなり違うと感じます。
経済産業省のレポートによると、日本企業のIT関連費の80%以上は、既存システムの維持・運用に費やされています。したがって、残りのわずか20%でDXなどの変革と革新を進めなければなりません。この現実に、多くのCIOの皆様が苦しんでいるのが実態だと思います。

グローバル・テクノロジー・サービス事業本部
サービスライン 執行役員
住山 豊氏
──この「80:20」という割合は、仕方ないと諦めるしかないのでしょうか。あるいは、変えられるのでしょうか。白石さんは、どのようにお考えですか?
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