かつてない危機意識、サプライチェーンの見直しは待ったなし
現在、企業のサプライチェーンでは、どのような課題が顕在化しているのか。アクセンチュア サプライチェーン&オペレーション日本統括の太田 陽介氏は、サプライチェーンの現状を次のように捉えている。
「もともとグローバルサプライチェーンは米中対立などに代表されるカントリーリスクを抱える中で、構造改革が進行している過程にありました。そこに輪をかけて起こったのがコロナ禍です。グローバルサプライチェーンを見直すべき時期が当初の想定よりも繰り上がり、“待ったなし”の状況を迎えたと言えます」(太田氏)
オープンテキスト インダストリー営業本部 本部長の菅原 勇人氏もこう語る。
「調達購買業務に絞っても、複数のプラットフォームでデータがサイロ化して運用されていました。以前から、一連のプロセス間で物流情報が紐づいていないという課題が指摘されてきましたが、コロナ禍によって経営層の危機意識もかつてなく高まっているのです。直近1年で、サプライチェーン全体の見える化を図りたいというニーズが爆発的に増えています」(菅原氏)
また、日本企業におけるグローバルサプライチェーンの課題は「ITシステムのモダナイゼーション(近代化)の課題」とも密接に関わっているという。
「たとえば、在庫の回転率を上げるためのオペレーションをクイックに実行できているかという点に着目すると、海外の競合企業に対して遅れが目立ちます。こうした日本企業の弱点をDXの過程で何とか解消していかなければなりません」(太田氏)
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・グローバルサプライチェーン最適化には「発想転換」が欠かせない
・DX化で二極化する企業、運命を左右するカギは
・「●●●●」は変革の絶好のチャンス