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  • 2018/11/07 掲載
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2018年6月29日、「働き方改革関連法案」が可決・成立した。それにともなって、企業は2019年4月1日に施行される各法案に向けた対応が求められる。しかし、より重要なことは、従業員一人ひとりが人間らしい働き方と生活を取り戻し、同時に生産性も向上させることだ。経済評論家で、現在は中央大学ビジネススクール客員教授をつとめる勝間和代 氏に、「働き方改革」の現状と課題、取り組む企業と個人へのアドバイスを聞いた。

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経済評論家 中央大学ビジネススクール客員教授
勝間和代氏
早稲田大学ファイナンスMBA、慶応大学商学部卒業。
当時最年少の19歳で会計士補の資格を取得、大学在学中から監査法人に勤務。
アーサー・アンダーセン、マッキンゼー、JPモルガンを経て独立。現在、株式会社監査と分析取締役、国土交通省社会資本整備審議会委員、中央大学ビジネススクール客員教授として活躍中。
――働き方改革法案が可決されました。法案についての、勝間さんのご意見をお聞かせください。

勝間氏:私としては、週40時間のような「総労働時間規制」を入れて欲しかったので、それが外れたのが残念です。労働時間の規制が実現すれば、仕事が交代制になります。

 一般の管理職はもちろん、トラックやバスの運転手さん、看護師さんなど、その性質から長時間労働を強いられがちな仕事も交代で分担可能になります。働き方改革の目的は、人間らしい生活を取り戻すことだと思います。「会社至上主義」から少しは前進したと思いますが、まだまだ働き方が主、生活は従だと感じます。

――確かに、現在の働き方改革を巡る議論では、生活の話より「企業の生産性」に関する論考が多いようです。

勝間氏:いかに生産性を上げるかは重要ですが、私達が人間らしい家庭生活を営んで、少子化を回復し、もっと短い労働時間で国民全員が豊かに暮らせるようにしよう、という発想が欠けていると思います。たとえば、私が働いていた外資系企業では、有給休暇は全休消化が原則でした。消化しないと財務諸表の負債項目に入ってしまうので、企業側はそれを嫌うのです。

 2週間の連続休暇をとることも義務でしたが、それには不正防止や仕事の属人化を防ぐ意味もあります。2週間連続で休める体制にしておけば、誰かが急にケガや病気になっても慌てなくて済むのです。

 そもそも、日本人は「すみません、有給とらせてください」と言いますが、権利ですから「すみません」はいらないでしょう。

日本企業は「人事評価」にもっと時間を使うべき

――有給休暇をとる際、「チームのみんな」が働いているので申し訳ない、という気分になるのかも知れません……。

勝間氏:有給休暇を取るかどうかは仕事の成果に直接関係がないのに、なぜそういう気分になるのでしょうか。それは、自分の上長しか評価を下す人がおらず、顔色を伺ってしまうためです。

 そもそも日本企業の人事評価に使う時間が短すぎます。私が外資系企業にいたときは、膨大な時間を人事評価に使いました。上長や部下だけでなく、同僚全員の評価もしなければなりません。

 Excelでできた評価シートに、仕事に協力的か、知識が役立っているか……といった項目が並んでいて、全員分を評価します。当然、私も評価されるので、チーム全体でお互いを評価する相互評価が取り入れられていました。

 それを、プロジェクトが終わるたびに実施するのです。それと成果をあわせて評価するので、正直なところ、働き方なんてどうでもよいのです。評価がすべてで、いつ休むかを含め、働き方は各自のスタイルに任せるということです。

――なるほど。しかし、一足飛びに、そうしたやり方に切り替えるのは難しそうです。評価を充実させるために、何かよい方法はありますか。

この記事の続き >>
・「時間短縮」という発想が間違っている
・今すぐできるシンプルな「働き方改革」
・優等生は「ダイバーシティ」を理解していない
・なぜ海に行くと「働き方改革」が前進するのか

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