「旗振り役」に聞くJALのDXの全貌
2021年4月に発足したデジタルイノベーション本部で本部長を務めるのは、東京大学工学部卒業後1984年にJALに入社、現在は常務執行役員を勤める西畑智博氏だ。西畑氏は一貫して「ビジネスとITの融合」をテーマに活動してきた。「これまでの全ての活動が、現在の全社を巻き込むDXにつながっている」と話す。
JALがイノベーションやDXに取り組む理由は、「JALグループは、全社員の物心両面の幸福を追求し、お客さまに最高のサービスを提供します。企業価値を高め、社会の進歩発展に貢献します」という企業理念に込められている。これをより詳細に分解したのが下記の3つだ。
- ①顧客の視点でカスタマーエクスペリエンス(CX)を最大化する
- ②社員の視点でエンプロイーエクスペリエンス(EX)を最大化する
- ③社会の視点で社会の進歩発展に貢献する
全社DXの旗振り役である西畑氏には、今回の活動を支える“原体験”があった。JALの予約・発券に関わる旅客基幹システムを約50年ぶりに刷新した「SAKURAプロジェクト」である。
「SAKURAプロジェクトは、JAL史上最大規模と言っても過言ではない大規模なプロジェクトでした。その時に私が考えたキーワードの1つが『Project Marketing』です」(西畑氏)
この「Project Marketing」の思想が、再びJALに大変革を巻き起こそうとしているのだ。
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