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  • 2026/10/02 01:40 掲載

光で「メモリの壁」崩す新興ボランティスが138億円調達、20兆パラメータAIを高速推論

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米国の半導体スタートアップのボランティスは、シリーズAで8,800万ドル(約138億円)を調達したと発表した。光でAIチップとメモリをつなぐ独自技術で、メモリの容量と帯域幅を同時に約2桁引き上げるという。20兆パラメータ超のモデルを毎秒最大1万トークンで動かす推論システム「A-1」を開発中で、2027年の出荷を目指す。
光で「メモリの壁」崩す新興ボランティスが138億円調達、20兆パラメータAIを高速推論の画像
ボランティスが公表したシリーズAの調達額と、主導・参加した投資家
(出典:ボランティス)
 米サンフランシスコの半導体スタートアップ、ボランティスは2026年10月1日、シリーズAで8,800万ドル(約138億円)を調達したと発表した。投資家のラッキー・グルーム氏とアブストラクト・ベンチャーズが共同で主導し、ジョン・ドーア氏らが参加した。

 同社が開発するのは、AI推論専用のシステム「A-1」。20兆パラメータを超える大規模モデルを、ユーザー1人あたり毎秒最大1万トークンの速度で動かせるよう設計中で、トークンあたりの推論コストも下げるとしている。

 狙うのは、AIの「メモリの壁」の解消である。大きなモデルを高速に動かすには、大容量のメモリと、演算器へデータを送り続ける広い帯域幅の両方が要る。しかし、チップ内のSRAMは帯域幅が広い一方で容量が小さく、HBM(広帯域メモリ)を使うGPUなどは容量が大きいものの帯域幅が速度の上限になる。新しい3次元DRAMでも同じトレードオフは残るという。

 そこで同社は、演算チップとメモリをつなぐことに特化した光インターコネクトを開発した。光ファブリックで多数のメモリチップを1つのプールとしてつなぎ、メモリを増やすほど帯域幅も積み上がる構成で、安価なチップ外のメモリを使えるという。A-1ではこれにより、容量と帯域幅をともに約2桁引き上げる計画だ。

 データセンターの光通信は、これまで主にチップ同士の接続向けだった。チップとメモリの間では、より短い距離で100倍以上のデータをやり取りする必要があり、求められる電力効率やコストの水準が異なる。同社は外付けレーザーではなく独自の微小なVCSEL(垂直共振器面発光レーザー)を採用し、供給が逼迫するインジウムリンではなく既存のガリウムヒ素の供給網を使う。1ビットあたり1ピコジュール未満の消費電力で通信できるとしている。

 創業チームには、エヌビディア、AMD、ブロードコム、アヤー・ラボの出身者が名を連ね、初のCoWoS製品や、量産された初の波長可変VCSELの開発に携わった。最高経営責任者(CEO)で共同創業者のタパ・ゴーシュ氏は「AIエージェントが担う仕事が増えるほど、その仕事を終える速さが企業の動く速さを左右するようになる」と述べた。

 同社は、コーディングエージェントの作業が30分から2分に縮まれば、開発者は試行をより多く回せると説明する。調達資金はA-1と光メモリ技術の開発・商用化、エンジニアの増員に充て、2027年に最初の推論エンジンを顧客へ届ける予定だ。

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