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- 2026/10/16 10:32 掲載
米グーグル、量子コンピューターの「マジックステート」をWillowで実証 誤り約40分の1
「マジックステート培養」と呼ぶ手法で、使わない場合と比べて誤りを約40分の1に減らしたという。成果をまとめた論文が、米科学誌「Science」に掲載された。
マジックステートは、古典コンピューターを超える計算に必要な演算を、誤りを訂正しながら実行するために作る特別な量子状態。ただし、誤りを訂正した質の高いものを作るには資源がかさむ。見積もりによっては、量子コンピューター全体の容量の最大95%をその生成に割く必要があるという。しかも1度使うと再利用できない。この難所は2004年ごろから予見され、研究者はこの20年、コストを下げる努力を続けてきた。
今回の手法は、2024年にグーグルのクレイグ・ギドニー氏ら研究者3人が提案した。小さな領域に雑音を含む状態を入れ、一連の測定で誤りを調べて不良な試行を取り除く。フィルターのように働かせて、誤りの少ない純度の高い状態を育てる考え方だ。Willowでは、誤りを約40分の1に抑え、「T状態」で論理忠実度99.99%という記録を得たとしている。
研究の過程では、データが物理法則に反するように見える場面もあった。ブログを執筆したエマ・ローゼンフェルド氏によると、数カ月の検証の末、測定手法の前提に誤りがあったと判明した。電気機器のドリフトや温度変動によるノイズが、ベンチマークの妥当性を損ねていたという。追加の制御と新しい評価手法で解決した。
2種類の誤り訂正符号の間で状態を移す実験にも成功した。距離3のカラーコードから距離5の表面符号へ状態を移し、純度の高い状態が移送後も保たれることを確認したという。
グーグルは、実用的な量子コンピューターにするには、より大規模な実証が必要で、技術的な課題も多く残ると説明している。
では、この「魔法」の効率化は、量子コンピューターに求められる規模の見積もりを、どこまで変えるのか。背景には、暗号の解読に必要な機械の規模をめぐる見積もりの見直しと、2本の論文が示した効率の数字がある。
・暗号解読に要る量子ビット数、見積もりはどこまで縮んだか
・2024年の提案論文が示した、従来手法の行方を左右する数字
・実機実証の先に残る、規模拡大という次の壁
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