米国株式市場＝下落、フィッチの米国債格下げで利益確定

［２日　ロイター］ - 米国株式市場は下落して取引を終えた。Ｓ＆Ｐ総合５００種とナスダック総合は続落。格付け会社フィッチ・レーティングスによる米国債格下げを受け利益確定売りが先行した。

フィッチは１日、米国の外貨建て長期債格付けを最上位の「ＡＡＡ」から「ＡＡプラス」に１段階引き下げた。これを嫌気した売りでＳ＆Ｐ５００種は１％超下げ、４月２５日以来の大幅な下落率を記録。下げが１％を超えたのも５月２３日以来だった。

ただ、複数の証券大手は米国債格下げによる金融市場への影響が長引く可能性は低いと指摘。Ｓ＆Ｐが米国債を格下げした２０１１年に比べて米経済が強いことを理由に挙げた。

Ｓ＆Ｐ５００とナスダックは７月まで５カ月続けて上昇したため、季節的に投資家の活動が鈍る８月に入ってフィッチが米国債を格下げしたことが相場の小休止を促した。

ＬＰＬファイナンシャルのチーフ・グローバル・ストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は「市場が材料を消化するのは時に健全だと言える。バリュエーションが低下し、押し目買いが可能になるからだ」と述べた。

米１０年債利回りがほぼ９カ月ぶりの高水準を付けたことを受け、金利の動きに敏感なテスラ、エヌビディア、メタ、アップルなどの大型グロース（成長）株が急落。

Ｓ＆Ｐ５００の主要１１セクターのうち情報技術は２．６％安と下落率トップとなった。

クロスビー氏は、市場の注目がフィッチの格下げから３日発表のアマゾンとアップルの決算、４日の米雇用統計に移ると予想した。

一方、２日発表されたＡＤＰ全米雇用報告によると、７月の民間部門雇用者数は予想以上に増えた。労働市場の底堅さが保たれており、リセッション（景気後退）回避につながる可能性を示した。

ドラッグストアチェーン最大手ＣＶＳヘルスは予想を上回る四半期利益を好感し、３．３％上昇。産業用ソフトウエアのエマソンは通期利益見通しの引き上げを材料に３．８％高となった。

半導体大手アドバンスト・マイクロ ・デバイセズ（ＡＭＤ）は７％下落。人工知能（ＡＩ）向け半導体を強化する計画について野心的すぎるとの懸念が出た。

米取引所の合算出来高は１１８億８０００万株。直近２０営業日の平均は１０７億９０００万株。

終値 前日比 ％ 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株３０種 35282.52 -348.16 -0.98 35551.92 35551.92 35226.26

前営業日終値 35630.68

ナスダック総合 13973.45 -310.47 -2.17 14132.73 14133.85 13914.81

前営業日終値 14283.91

Ｓ＆Ｐ総合５００種 4513.39 -63.34 -1.38 4550.93 4550.93 4505.75

前営業日終値 4576.73

ダウ輸送株２０種 16380.25 -150.17 -0.91

ダウ公共株１５種 921.10 +1.35 +0.15

フィラデルフィア半導体 3711.60 -146.61 -3.80

ＶＩＸ指数 16.09 +2.16 +15.51

Ｓ＆Ｐ一般消費財 1322.05 -24.83 -1.84

Ｓ＆Ｐ素材 530.46 -6.62 -1.23

Ｓ＆Ｐ工業 926.84 -10.13 -1.08

Ｓ＆Ｐ主要消費財 792.25 +1.98 +0.25

Ｓ＆Ｐ金融 582.12 -5.20 -0.89

Ｓ＆Ｐ不動産 238.12 -1.06 -0.44

Ｓ＆Ｐエネルギー 656.96 -8.92 -1.34

Ｓ＆Ｐヘルスケア 1554.75 +0.90 +0.06

Ｓ＆Ｐ通信サービス 225.20 -4.77 -2.07

Ｓ＆Ｐ情報技術 3087.76 -82.14 -2.59

Ｓ＆Ｐ公益事業 336.32 -0.02 -0.01

ＮＹＳＥ出来高 10.04億株

シカゴ日経先物9月限 ドル建て 32380 - 230 大阪比

シカゴ日経先物9月限 円建て 32345 - 265 大阪比