米国株式市場＝反落、米銀格下げが幅広く波及

［８日　ロイター］ - 米国株式市場は反落して取引を終えた。格付け会社ムーディーズによる米銀行格下げを受け、米銀および経済の健全性に対する懸念が再燃して幅広く売られた。

ムーディーズは前日、米国の中・小規模銀行１０行の信用格付けを１段階引き下げたほか、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン（ＢＮＹメロン）、トゥルイスト・ファイナンシャルなど一部の主要行を引き下げ方向で見直しの対象とした。

Ｓ＆Ｐ総合５００種の銀行株指数は１．１％下落、ＫＢＷ地方銀行株指数は１．４％下落した。

ゴールドマン・サックスとバンク・オブ・アメリカ（ＢｏｆＡ）は約１．９％安。ＢＮＹメロンは１．３％安、トゥルイストは０．６％安。

グレンミードの投資戦略・調査部門責任者、ジェイソン・プライド氏は、ムーディーズが銀行システムの健全性とそれが経済全般に及ぼす影響について懸念を表明した形だと指摘。

「地銀の融資は経済の潤滑油の一つであり、経済全般にとって大きな問題だと思う」と述べた。

銀行格下げを受け、投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所（ＣＢＯＥ）のボラティリティー・インデックス（恐怖指数、ＶＩＸ）は一時２カ月ぶりの高水準を付けた。

Ｓ＆Ｐ主要１１セクターでは８セクターが下落。金融、素材、一般消費財の下げが目立った。

エネルギーは、中国の貿易統計がさえず原油価格が圧迫される中、一時下落していたが０．５％高で終了した。

ヘルスケア株も上昇。決算が好感された医薬品大手イーライリリーが１４．９％上昇し過去最高値で引けた。

デンマークの製薬大手ノボノルディスクが８日、肥満症治療の注射薬「ウゴービ」について、大規模な臨床試験（治験）で心血管疾患にも明らかな効果があることが示されたと発表。これを受けて製薬株が世界的に買われた。

物流大手ユナイテッド・パーセル・サービス（ＵＰＳ）は０．９％安。通年の売上高見通しを引き下げたことが嫌気された。

米取引所の合算出来高は１０９億４０００万株で、直近２０営業日の平均と一致した。

終値 前日比 ％ 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株３０種 35314.49 -158.64 -0.45 35345.40 35346.64 35007.41

前営業日終値 35473.13

ナスダック総合 13884.32 -110.07 -0.79 13875.45 13899.74 13769.34

前営業日終値 13994.40

Ｓ＆Ｐ総合５００種 4499.38 -19.06 -0.42 4498.03 4503.31 4464.39

前営業日終値 4518.44

ダウ輸送株２０種 16304.99 -91.16 -0.56

ダウ公共株１５種 891.43 +3.96 +0.45

フィラデルフィア半導体 3679.42 -59.99 -1.60

ＶＩＸ指数 15.99 +0.22 +1.40

Ｓ＆Ｐ一般消費財 1354.90 -11.86 -0.87

Ｓ＆Ｐ素材 523.95 -5.55 -1.05

Ｓ＆Ｐ工業 922.41 -4.26 -0.46

Ｓ＆Ｐ主要消費財 784.29 -5.20 -0.66

Ｓ＆Ｐ金融 582.79 -5.14 -0.87

Ｓ＆Ｐ不動産 234.32 -1.07 -0.46

Ｓ＆Ｐエネルギー 667.60 +3.23 +0.49

Ｓ＆Ｐヘルスケア 1571.85 +12.22 +0.78

Ｓ＆Ｐ通信サービス 227.82 -0.53 -0.23

Ｓ＆Ｐ情報技術 3016.48 -23.59 -0.78

Ｓ＆Ｐ公益事業 326.18 +1.60 +0.49

ＮＹＳＥ出来高 8.89億株

シカゴ日経先物9月限 ドル建て 32335 + 45 大阪比

シカゴ日経先物9月限 円建て 32310 + 20 大阪比