中国「中程度の成長段階」、緩やかな政策必要＝人民銀政策委員

[北京 ８日 ロイター] - 中国人民銀行（中央銀行）の劉世錦・金融政策委員は８日、中国経済は成長率が５％前後の中程度の成長段階にあり、向こう５─１０年はこのペースが続く可能性があると述べた。

劉氏は北京で開催された金融街年次フォーラムで、構造改革を通した潜在力を見出すことに一段の注意を払いながら、比較的緩やかな金融・財政政策を維持する必要があると言及。

「中国経済は現在、成長の速度が中速の段階にあり、マクロ政策の重点は短期的な安定と均衡に置かれている」とし、向こう５─１０年は５％程度の中速成長が続く可能性があるとの見方を示した。

同時に、伝統的に経済成長の原動力になってきたインフラ、不動産、輸出は徐々に減速しており、中国は新しい成長モデルを見出す必要があると指摘。中低所得層の消費ニーズを促進し、デジタル改革やグリーン変革といった技術革新の過程で機会をつかむ必要があると語った。