日銀の田村直樹審議委員は２７日、青森市内で記者会見し、マイナス金利解除後の金融政策正常化に向け「不連続な変化は避けたい」と語った。追加利上げの時期や具体的な水準などについては明言しなかった。

田村氏は「米国のように１年で５％の利上げは考えていない」としつつ、「どこまで金利を引き上げるか、確たることは現時点では言えない」と話した。追加利上げを実施する条件については、物価の動き、賃上げ動向、個人消費、企業の価格設定行動での変化の４点を見極める必要があるとの認識を示した。

田村氏は、長期にわたる金融緩和の副作用として金利が経済・物価情勢を反映しづらくなったことなどを指摘。その上で「金利機能が発揮できるような水準に戻して、金融の正常化が実現できるようになることを期待している」と語った。

【時事通信社】