名寄せはなぜ重要なのか? 顧客管理でキモとなるポイント
「名寄せ」とは何か?
データ活用の話題になると、「名寄せ」という言葉をよく聞きます。これは、簡単に言うと「同じ人を特定して、1つにまとめる」ということです。個人のスマートフォンの電話帳でも、同じ氏名の人が複数並んでいることがあります。たとえば、「山田太郎(仮名)」さんが2項目あって、それぞれ電話番号が03-XXXX-XXXX、090-XXXX-XXXXとなっているようなケースです。このとき同一人物だと分かれば、「氏名:山田太郎、自宅電話番号:03-XXXX-XXXX、携帯電話番号:090-XXXX-XXXX」と1つにまとめるほうが何かと便利です。
このように同じ人のデータを1つにまとめる作業を名寄せと言います。
なぜ名寄せが必要なのか?
冒頭の例は個人の電話帳ですから、名寄せをせずに放っておいても構いません。しかし企業システムにおいてはそうはいきません。たとえば、顧客管理システムを全社で統合して、お客さまに一貫性の高いサービスを提供することになったとします。その際にはマーケティング部門、営業部門、コールセンター部門、サービス部門などがそれぞれ持っていた顧客データを1つにまとめることが必須となります。
単純に顧客データを統合してしまうと、同じ人が複数登録されてしまいます。そのまま営業部門がダイレクトメールを送ると、同じ人に同じダイレクトメールが複数届くことになりかねません。あなたがお客さまの立場だったら、このような会社に対する満足度は著しく下がることでしょう。コールセンターにクレームを入れるかもしれませんし、2度とこの会社からは買わないと思うかもしれません。
顧客サービスを向上しようと思って顧客データを統合したら、返って顧客満足度が下がってしまうことになります。このようなことを防ぐために、顧客データを統合する際には、必ず名寄せをやっておく必要があるのです。
同じ会社の中だけではありません。コールセンター業務をグループ会社に委託するのであれば、自社のデータとグループ会社のデータを統合しなければなりません。また、企業買収を行った場合も、買収先のデータを統合することになります。
持株会社を筆頭とした企業グループ化やM&Aによる企業統合が日常茶飯事になった今、名寄せの重要性はますます高まっていると言えます。
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