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- 2023/09/05 掲載
Tractus-X(トラクタスX)とは? Catena-X構想の成否を決める超重要プロジェクトの全貌
連載:第4次産業革命のビジネス実務論
Tractus-Xとは
Tractus-X(Eclipse Tractus-X)とは、Catena-Xが主導するデータ連携基盤に参加・接続するための開発環境・開発ツールの整備・提供を行う、Catena-X公式のオープンソースソフトウェア(OSS)プロジェクトです。Tractus-X はOSSの開発環境(Eclipse)を整備し、アプリケーション開発者や企業に対してSDK(Software Development Kit:ソフトウェア開発キット)を提供するという役割を担っています。実際に、Tractus-Xの公式サイトからダウンロードしたSDKやドキュメントがフリーで使えます。
なお、Tractus-Xは、Eclipseの運営およびオープンソースコミュニティと関連製品・サービスの発展を支援する非営利団体「Eclipse Foundation」の傘下のプロジェクトでもあります。
Tractus-Xの重要な役割
Tractus-Xは、開発者によるサービスやアプリケーションの開発や運用を加速し、エコシステムが迅速にスケーリングできるようにするための、サポートも担っています。なお、リファレンス実装は誰でも使える(フリーな)オープンソースのソフトウェア(FOSS)コンポーネントとして提供されます。これらはTractus-Xプロジェクトで管理され、Catena-Xなどで使用されることになるわけですが、GAIA-XやIDSA(International Data Spaces Association)のような、ほかのプロジェクトで開発されたリファレンス実装もTractus-Xプロジェクト経由で提供可能になるとされています。さらに、誰でも自由にリファレンス実装を使用、変更、配布することができる仕組みとなっています。
しかし、リファレンス実装は通常、顧客や市場にそのまま提供できるものではなく、市場に提供するためには一定規模の開発行為が必要になります。そうした開発をソリューションプロバイダーなどが実施するためのベースとして、Catena-Xは、コアサービスとイネーブリングサービスのための最初のリファレンス実装をOSSとして提供するとしています。 【次ページ】Catena-Xに 「Tractus-X」が欠かせない理由
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