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- 2024/11/05 掲載
日本抜く勢い? インドネシア「第4次産業革命」の凄い“現状”、10の国家優先課題とは
連載:第4次産業革命のビジネス実務論
インドネシアはどんな国か?
ASEAN南部に位置する共和制国家であるインドネシアは、人口約2.8億人(2024年インドネシア政府統計)、面積は約192万平方キロメートル(日本の約5倍)と、ASEAN最大の人口・国土を誇ります。そして、この国土に約300の民族が共存しています。また、7500以上の島で構成される島嶼(とうしょ)国でもあります。この中で、人が住んでいる島の数は6000前後と言われ、人が住む島の面積の合計は国土面積の4割弱です。
GDPの産業別構成を見ると製造業が約2割で最大となっています。経済面で見ると、近年は内需をけん引役に経済成長を実現しており、若年層比率が高いことから、中長期的にも人口増加が期待され、今後の経済成長への期待も高くなっています。
なぜ首都を移転する? かかる費用は…?
現在インドネシアでは首都ジャカルタに人口が集中(1135万人、2023年インドネシア政府統計)しており、メガシティの1つになっています。ジャカルタでは慢性的な渋滞や、高い人口密度、地下水の過剰揚水による地盤沈下など都市機能の脆弱性が高まっています。さらに地球温暖化による気象災害で水害が多発、洪水被害が増加傾向にあり、都市機能の限界や人口集中、インフラ整備といった課題が山積しており、これを緩和、解消するサービスや取り組みが強く求められています。
こういった背景もあり、2022年2月にインドネシアは、ジャカルタより約1200キロ離れたカリマンタン島「ヌサンタラ」へ首都移転をすることを発表し、2023年10月に新首都法を可決しました。これによって、2045年までに段階的に開発・移転計画が進められることとなります。
2024年8月には新首都「ヌサンタラ」の新大統領宮殿で、初の閣議が行われました。この首都移転計画は、ジョコ大統領の目玉政策ですが、その開発投資額は2019年には466兆ルピア(約4兆4,000億円)と発表されており、その8割以上を投資や資金提供に頼るとしています。
すでに計画に必要な資金調達に行き詰まっているとも言われているほか、首都開発が環境に与える影響の大きさを懸念する声も大きくなっています。
「Making Indonesia 4.0」とは? 注力する産業セクターは?
そんなインドネシアの工業省は2018年4月、第4次産業革命実現のためのロードマップである「Making Indonesia 4.0」を発表しました。すでに、インドネシアは経済の好循環をもたらすサイクルの実現に成功しており、そうした取り組みはインドネシアを世界有数の経済大国に押し上げ、インドネシアの名目GDPランキングは2023年で16位となっています。
「Making Indonesia 4.0」では、これをさらに押し上げ、2030年にはGDPランキング世界10位以内に入ることをその目標としています。「Making Indonesia 4.0」では、そのために、下記の取り組みを推進するとしたほか、重点対象として以下の5つの産業セクターを挙げています。
- GDPに対する純輸出の割合を10%向上
- コストに対する生産性を2倍に向上
- GDPの2%をR&Dに割り当てる
■ 重要視する産業セクター
- 食品・飲料(Food & Beverage)
- テキスタイル・アパレル(Textile & Apparel)
- 自動車(Automotive)
- エレクトロニクス(Electronics)
- 化学(Chemical)
たとえば、自動車については、「Indonesia’s Automotive 4.0」という戦略を策定しており、その重要な目的は、新技術の導入と高度に発達したインフラを通じて、原材料と主要部品の生産量と効率を高めることにあります。この推進のためには、統合産業集積地の創設と物流基盤の効率向上を進めるとしています。
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