難易度もスピードも上がるビジネス、対応を迫られる人事部門
──まずは、向坂さまのこれまでの経歴からお聞かせください。
向坂氏:2003年に新卒でサイバーエージェントに入り、インターネット広告部門で営業を3年、マーケティングを5年勤めました。その後、家庭の都合で退社し、2016年に再入社しました。
当初は、人事に入るとはまったく思っていませんでしたが、人事担当役員の曽山 哲人から「人事でマーケティングをやってみないか」と請われ、“人材科学センター”で現在の仕事を担当することになりました。
曽山は、以前から「数字で語れる人事を作りたい」と言っていて、その実現のために2015年に設立されたのが人材科学センターです。
──人事の仕事に携わって、人事部門が置かれている現在の状況をどう感じられていますか。
向坂氏:他社の人事部門の皆さんとお話しする機会も多いのですが、皆さん同じことをおっしゃいます。それは、「情報化によってビジネスの難易度とスピードが上がり、人事もそれに付いていかなければならない」ということです。特にここ数年は、その傾向が強くなっていると感じます。
たとえば弊社であれば、突然、社長が「インターネットテレビ局を新事業として始める!」と言い出すわけです(笑)。これまでネット広告の代理店やゲームの制作をやっていた会社が、番組をプロデュースしたり作ったりできる人材を必要とするのです。
同様のことは、他の会社でも起きています。たとえば、製造業の会社がITに進出するといったことが当たり前になっています。こうした動きに、人事は対応しなければなりません。
予想以上にアナログだった? サイバーエージェントの人事改革
──サイバーエージェントというと、データを駆使する最先端のインターネット企業というイメージがあります。人事も同様では、と思いますが。
向坂氏:決してそんなことはありませんでした。私自身、人事に配属され改めて「人事って、こんなにアナログなのか」と驚きました。
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・デジタル化から取り残されていた「人事」という業務
・データ分析で何が見えた?「ネット広告と同じ」なところとは
・分析によって「人を驚かせる結果を出そう」は見当違い
・「人事が変わらなければ!」とことさらに考える必要はない