デジタル化が進むことで、カスタマーへの理解が重要になる
経営コンサルタントとして、過去数十年にわたり日本企業の変革を手伝ってきた弘子ラザヴィ氏は、2016年にシリコンバレーにあるスタンフォード経営大学院のプログラム「イグナイト」に参加した際、カスタマーに成功を届ける「カスタマーサクセス」の概念に出会う。
「カスタマーサクセス」を日本企業に伝えなければと、ラザヴィ氏は帰国してすぐにサクセスラボを設立。日本初のカスタマーサクセスカンファレンス「Success4」を主催し、カスタマーサクセスに挑戦する人の実践者コミュニティ「SuccessGAKO」を運営している。
2018年に経済産業省が『DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』を発表して以来、日本ではDXやデジタル化という言葉が頻繁に使われ、それらへの取り組みが一般的な課題になった。しかし、ラザヴィ氏は「日本ではDXやデジタル化の意味について、正しく議論されていない」と指摘する。
「従来のモノ売り切りモデルを続けていては、競争に負けてしまう」──。ラザヴィ氏はそう語る。これからのビジネスモデルはリテンションモデルであり、それにはカスタマーへの理解や、カスタマーをいかにして成功へ導くかが重要となる。いくつかの実例をもとに解説していこう。
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・日本ではデジタル化の意味が正しく理解されていない
・「カスタマーサクセス」に必要な「Who起点」の経営とは
・「正しい顧客」と「顧客の成功」の理解に必要なこと