懐の深い企業は
ビジネスでも強い

－『業界勢力マップ』や『会社図鑑！』は、経営者にとってかなり恐い本でしょう。

［オバタ］会社としてはいい迷惑ですよね（笑）。『業界勢力マップ』や『会社図鑑！』は、趣味で株をやっている人、就職志望者、消費者、そうした人々の観点から作りました。一般の人から自社がどう見られているのかという資料として使ってもらえればと思います。最近は、クレームやトラブルにどう対処するかで会社の真価が問われるようになってきました。

　その点、安カジショップ業界の「しまむら」はすごかったですね。一般の知名度は高くありませんが、衣料品の専門小売店として日本一だと思います。写真掲載許可を取るために、撮影した店内写真と「いかにも地方のおばちゃん風」「しまむららしい」などと書いた原稿を送ったんですよ。そうしたら「こっちの方がうちらしいですよ」と、もっとダサい服や店内の写真を送ってきてくれました（笑）。ああ、いい会社だ、風通しがいいなと感心しましたね。これが本当の意味での合理主義なんだと。逆に、官僚的で対応がなっていなところもあり、そういうところは業績もイマイチだったりします。組織体制の問題もあるのではないかと感じますね。

■取材・構成：山路達也 http://www.binword.com/blog/




●執筆者紹介
オバタカズユキ（おばた・かずゆき）
物書き。上智大学文学部社会福祉学科卒。２カ月の出版社勤務を経て、フリーランスに。
硬軟問わずのジャンルで繰り出す、切れ味のある文章には定評がある。
著書に『ペットまみれの人生』『だから女は大変だ』（以上、扶桑社文庫）、『何の為に働くのか』（幻冬舎文庫）、『資格図鑑!2006』（ダイヤモンド社）など。
共著に『大学図鑑!2006』（ダイヤモンド社）など。

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