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- 2026/10/13 06:40 掲載
Copilot・ChatGPT・Claude…全社AI選びの5条件、ガートナーが警告「課金の落とし穴」
個人用から“全社レベル”へ爆速進化する「EAIA」の凄み
数あるAIツールの中で最初に登場したのが、2011年にアップルがiPhone向けに“Siri”としてリリースしたAIアシスタントである。それから15年、アップル、アマゾン、IBM、OpenAI、マイクロソフトなどの大手が、AIアシスタントを継続的にリリースしてきた。「そして今、AIアシスタントは“個人”を対象としたツールから、“企業”のあらゆる従業員の多様な業務を支援し、業務の生産性と質を格段に底上げする『エンタープライズAIアシスタント(EAIA)』へと進化しつつあります」──こう説明するのは、ガートナー ディスティングイッシュト バイス プレジデント、アナリストのジェーソン・ウォン氏である。
ガートナーではEAIAを、次の3つを満たす汎用的なAIアシスタントと定義する。
・検索、要約、分析、文章生成など幅広い日常業務で価値を提供する
・組織規模を問わず活用できる
類似ツールにAIエージェントがある。両者の一番の違いは、指示の実行におけるアクションの“深さ”だ。AIエージェントは“自律的”な行動が特徴で、指示達成までに多様な処理を実行する。指示はメモリ上に継続保管され、行動のための多様なデータやアプリへのアクセス権限も与えられている。
一方、AIアシスタントの行動は指示と「1対1」で、外部データやアプリへのアクセス権限が与えられていないのが一般的だ。AIエージェントでは、その特性ゆえに“エージェント・スプロール”が懸念されるが、AIアシスタントはそのリスクがない点がメリットである。
AIが“受け身”脱却? 新機能“Cowork”で部門横断が変わるワケ
EAIAの認知度は現状、まだそう高くはない。だが、企業の関心は徐々に、しかし着実に高まりつつあるという。背景には、複数のAIツール利用が当たり前となる中で、EAIAがAIアシスタントとして安全性の高さで差別化されていること、さらに、AIと人間が同じ画面や作業空間で協働するためのインターフェースや機能であるCowork(コワーク)の登場により、AIアシスタントが従来の「受動的なチャット・ベースのインターフェース」から「自律的な実行者」へと変質し始めていることがあるとウォン氏は説明する。「企業は生産性向上を狙いに各種ツールを継続的に導入し、EAIAは従来型のAIアシスタントとして、その使いこなしに寄与します。その延長です。Coworkによって従業員とコラボレーションしながら多様なツールやデータへ自律的にアクセスできるようになり、これまでよりはるかに複雑かつ部門横断型のコラボレーションの実現も現実味を帯びつつあります。その生産性の向上効果の巨大さに、企業は早期から着目している格好です」(ウォン氏)
ガートナーによれば現在、EAIA市場をけん引しているベンダーはマイクロソフトだ。この1年で活用に取り組んできたEAIAに関する調査では、全体の86%が「Microsoft 365 Copilot」を挙げている。
とはいえ、「競争はまだ始まったばかり」(ウォン氏)だ。また、各種ツールにとって、EAIAの良しあしが将来的な売り上げを左右することも容易に推察され、現時点において、「AIモデル・プロバイダー」「ハイパースケーラー」「エンタープライズ・アプリケーション・プロバイダー」「AIファーストの生産性向上/検索プラットフォーマー」など、多様なプレーヤーが入り乱れるかたちでEAIAのリリースと機能強化が進められている。
【次ページ】7割の企業が疑念を抱く? ガートナー流EAIA選定“5つの要件”
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