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コロナ禍の逆境にあって、いち早くメタバースに着目し、仮想都市アプリの提供を開始している三越伊勢丹。メタバース上で買い物ができる同アプリは、これまでのECサイトと一体何が違うのか。そしてメタバースならではの顧客体験とはどのようなものなのか。同社のメタバース事業を紐解きながら解説する。
単なる「バーチャル店舗」ではない三越伊勢丹のメタバース
三越伊勢丹が2021年3月に提供を開始したスマートフォン用の仮想都市アプリ「REV WORLDS(レヴ ワールズ)」では、ユーザーはアバターを介して新宿の街並みと伊勢丹新宿店が再現されたバーチャルな都市空間で、買い物などの多彩な仮想空間体験を楽しめる。
「ここで目指したのは、単なる『バーチャル伊勢丹』ではありません。仮想空間ならではの可能性を生かして、もっと自由に伊勢丹以外の百貨店や建築物が並ぶ都市で、ユーザーのライフスタイルを豊かにしたいと考えました」。そう話すのは、サービス開発に携わった、三越伊勢丹営業本部オンラインストアグループデジタル事業運営部レヴワールズマネージャーの仲田朝彦氏だ。
仲田氏は2008年、iPhoneとGoogleストリートビューを目にして、「インターネット上に伊勢丹を建てたい」と考え、さっそくREV WORLDSの構想に着手。そのとき感じた「ワクワク」を原動力に、まずは独学でCGを学び、一度は社内起業制度に落選の苦境も乗り越えながら、REV WORLDSのローンチにこぎつけた。
では、そのREV WORLDSは具体的にどのような機能を提供しているのだろうか。
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