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  • 2026/02/05 掲載
東大松尾・岩澤研の鈴木氏が明かす「生成AIの限界」、なぜLLMでは“足りない”のか?
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東大松尾・岩澤研の鈴木氏が明かす「生成AIの限界」、なぜLLMでは“足りない”のか?

動画生成AIが作り出す美しい映像に、私たちは「ついにAIが世界を理解した」と感じてしまう。しかし、それは大きな錯覚だった。LLMは歩き方を完璧に説明できるが、実際に歩いたり歩かせたりはできない。東京大学 松尾・岩澤研の鈴木 雅大氏が明かす衝撃の事実──「動画生成AIと世界モデルは本質的には異なる」。人間が当たり前にできることを、なぜAIはできないのか? ブームに沸く今だからこそ知っておくべき、AIの本当の限界と可能性を探る。

生成AIが直面する「現実世界」との乖離

 生成AIの技術革新は目覚ましく、特に動画生成AIは近年で飛躍的な発展を遂げている。高品質な映像を生成する能力は、多くの人々を驚かせ、まるで現実世界のシミュレーターとして機能する「世界モデル」を内包していると主張されることがある。

 しかし、東京大学大学院工学系研究科 松尾・岩澤研究室 特任講師の鈴木 雅大氏は、この認識に警鐘を鳴らす。

「動画生成AIと世界モデルは本質的には異なるものです。動画生成AIはたしかに優れた映像を生成しますが、それだけでは実世界で動作するAIには不十分です」(鈴木氏)

 実際に動画生成AIを使用すると、コップが突然ひっくり返ったり、物体同士が不自然に合体したりする現象が起きる。一見すると「それっぽい」動画に見えるが、専門知識を持つ人が見ると明らかに不自然な動きが多数存在するのが現状だ。

 さらに深刻な問題は、長時間の生成が困難である点だ。我々人間は明日の行動や数日後の予定を容易に想像できるが、動画生成AIで同じことを実現しようとすると、次の日まで連続的に生成し続けなければならない。これは計算コストの観点から現実的ではない。

「重要なのは、我々人間は完璧に未来を予測しているわけではないということです。1分後にこの部屋がどうなっているかを完全に描ける人はいませんが、なんとなく『こうなっているだろう』ということは予測できます。つまり、意思決定に関係する部分だけを想像できれば十分なのです」(鈴木氏)

 では、真の世界モデルとは何なのか? 鈴木氏は、世界モデルの本質的な目的を「反実仮想(こうしたらこうなるだろう)」の実現にある──と説明する。

この記事の続き >>

  • ・AIはどうやって世界を「想像」するのか?「潜在表現」と「推論」の秘密

    ・歩き方を知っているのに、なぜ歩けない?──LLMの根本的限界

    ・完璧に畳み物ができるのに、別の部屋では何もできないAIロボットの謎

    ・AIに「足りないもの」を教える3つの方法、将棋名人から学ぶ抽象化思考

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