
「国際人材」から「グローバル人材」へ
──今、グローバルな視点での人材活用が求められています。歴史的な経緯も踏まえて、現在の流れをどのようにご覧になっていますか。白木氏:日本のグローバル化の契機となったのは、1985年のプラザ合意です。日本のグロスの海外直接投資は、1984年は約100億ドルでしたが、5年後の1989年には690億ドルと約7倍に拡大しました。海外への投資件数で見ると、同じ5年間で大企業は毎年20~30%増加しました。中小企業はさらにすさまじく、毎年200~300%も増えたのです。こうして、80年代後半から90年代にかけて、日本企業は海外に急速な勢いで進出しました。
その当時、海外で活躍する人材は「国際人材」と呼ばれていました。ところが、2008年のリーマンショック前後から、日本企業が韓国や台湾などの新興国の企業に競争力で負けるケースが目立ちはじめました。そして、その原因の1つとして、ビジネスパーソン、特に若いビジネスパーソンのドメスティックでぬるま湯的なメンタリティが注目され、問題喚起の意味も込めて「グローバル人材」という言葉が使われはじめたのです。
──「グローバル」の先には「トランスナショナル」があると指摘されています。
白木氏:「トランスナショナル」は、クリストファー・バートレットとスマントラ・ゴシャールという研究者が提唱した多国籍企業のモデルです。彼らは、多国籍企業を4つに分類しました。1つ目が「グローバル・カンパニー」です。これは、コアはあくまで本社です。日本企業であれば、本社の日本人が中心になって運営するモデルです。2つ目が「インターナショナル・カンパニー」です。これは、子会社にも若干の権限を持たせて、親会社と子会社で情報をやり取りしながら運営するモデルです。
3つ目が「マルチナショナル・カンパニー」です。これは国ごとに独立して運営するモデルです。たとえばネスレなどが典型的です。本社は研究開発や財務、ブランディングを担い、それ以外は各国の事情に合わせて海外子会社が独立して運営します。
そして、4番目が「トランスナショナル・カンパニー」です。これは組織がバーチャルになり、クモの巣のようにネットワークでつながったモデルです。極端にいえば、子会社が強い製品を持っていれば、その製品に関しては、そこが本社になっても問題ありません。半導体のように「グローバル」に向いている企業もありますが、全体としては「トランスナショナル」の方向に進んでいくと考えられます。
日本企業はなぜ海外の人材をうまく活用できないのか
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