チーフ・データ・オフィサーとチーフ・デジタル・オフィサーの違いとは?
──企業のデータ活用戦略を担うCDOの存在がクローズアップされていますが、同様にデジタル戦略を担当する「チーフ・デジタル・オフィサー(CDO)」の役割も注目されています。どちらも同じ「CDO」という呼び名で混同されることも多いのですが、そもそも両者の違いは一体どこにあるのでしょうか?北川氏:企業によってビジネス戦略は異なりますから、自ずとデータに期待する役割や、データを活用する戦略も異なります。これはデジタル戦略でも同様です。チーフ・データ・オフィサーや、チーフ・デジタル・オフィサーの職務の定義も企業ごとにまちまちであり、両者の違いを一概に説明するのは難しいと思います。
バンダーリ氏:そうですね。ただ大まかに分類すると、企業が取り組むべきトランスフォーメーション(変革)には、「テクノロジー・トランスフォーメーション」「デジタル・トランスフォーメーション」「データ・トランスフォーメーション」の3種類があり、それぞれに責任者を割り当てた上で、互いに協力しながら変革を進めていくことになります。
ちなみにIBMには、デジタル・トランスフォーメーションを担当するチーフ・デジタル・オフィサー、データ・トランスフォーメーションを担当するチーフ・データ・オフィサーがいます。
チーフ・テクノロジー・オフィサー(CTO)の役職は明示的には設けていないのですが、IBM Researchのトップが実質的にCTOを兼ねています。これに加えてチーフ・インフォメーション・オフィサー(CIO)がいて、この4者が密に連携を取りながら会社全体の変革をグローバルで進めています。
──お二人とも現在、膨大な量のデータの中から隠れた価値を見いだす取り組みを日々進められているわけですが、どのような点に着目することでデータから価値を抽出できるようになるのでしょうか?
北川氏:楽天では大きく分けて、3つの切り口でデータを活用しています。
まず1つ目としては、経営指標のコスト面に着目します。ここを精緻に分析することで、どの事業領域でどれだけのコストを削減でき、その結果どの程度の収益改善が見込めるか分かるようになります。
2つ目が、売上高関連の指標です。ここに着目することで、特定の事業領域の売り上げを一定数伸ばすためにどの程度の投資が必要で、どれぐらいのリターンが見込めるかが見えていきます。
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