
バージニア大学大学院経営学修士(MBA)、ハーバード大学大学院 経営学博士(DBA)修了。マッキンゼーでマネジャー。青山学院大学国際政治経済学部教授、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授を歴任。資生堂、日清食品ホールディングス、双日の社外取締役、世界経済フォーラムのGlobal Future Councilのメンバー
iPhoneがどの業界の製品か気にする人はいない
──デジタルビジネスの進展によって、10年前と比べて企業戦略は大きく変わっています。この変化を、どうご覧になっていますか。石倉氏:私は地殻変動のようなものだと思っています。これまでの日本企業は、「業界内の競争ルールから考えましょう」というパターンで戦略を練ってきました。しかし、今はもうそんなものは通用しません。「業界と言ったって、iPhoneは何の業界の製品なの?」となるし、そんなことを気にする人はいません。新しくできたものは、今までのカテゴリに入りません。
それが1番わかりやすいのは自動車です。これまでの自動車業界は、業界内でトヨタやGMといったプレイヤー同士が競争していました。しかし、今のトヨタの最大の競合相手は(自動運転車を開発している)グーグルとも言えます。いまや自動車ではなく、「モビリティ」というより広い観点から考えないといけません。
そもそも自動車とは、「ここからあそこへ行きたい」という希望を叶えるものです。その目的が達成できるようになればいいわけで、これまでの業界、業種というカテゴライズは意味を持ちません。
米国ではタクシーという既存業種が違う形になったともいえる「Uber」が普及しています。Uberは「リアルタイムでやりとりできる人と配車のマッチングプラットフォーム」を提供しており、モノを製造しているわけではありません。しかし、モビリティという観点で、自動車業界に大きな影響があります。
Uberの仕組みには(ネットワークの高速化やスマートフォンの普及といった)「デジタル」が圧倒的に寄与しています。こうした環境の変化がなかったら絶対にできなかったビジネスモデルです。
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