- 会員限定
- 2023/06/01 掲載
プリウスvs自転車? 元F1ドライバー片山右京氏に聞く「未来の最強モビリティ」とは
100年後のモビリティの未来
技術の進化は誰にも予想はできません。それでも、ある程度予想できるのは100年後の未来のことでしょう。振り返ってみれば、20~30年前の僕たちは携帯電話もコンピューターもカーナビも持っていませんでした。現代の生活を支えるインフラのようなモノが、たった30年前には無かったのです。それほど長期スパンで見れば、技術の進歩が社会を変えているのです。こうして考えると、50年後、100年後は、本当に映画のような世界が訪れると思います。移動という点では、長距離は水素で走るクルマ、そして郊外は電気、街中はマイクロモビリティになる。そうした変化は議論するまでもなくて、今のようにガソリン車が数多く走る未来はない、と考えるのが普通でしょう。
そんな世界が来るかもしれないと思わせるほど、技術の進歩は凄いものがあります。たとえば、世界3大レースの1つとされる「ル・マン24時間レース」で優勝するようなマシンの最高速度は時速370キロメートル、1500馬力もあります(一般的な乗用車は平均100馬力前後)。1スティント(1回のドライバー交代)で13周走ったとして(ル・マンは1周約13.6㎞)、24時間走り続けてもブレーキ交換は一度も必要ありません。
それほど高性能でありつつも、必要とするガソリンはトヨタのコンパクトカー「ヤリス」と同じくらいしなかないんですよ。もの凄く速いのに、めちゃくちゃ燃費が良い。とんでもない技術の時代になっているのです。
片山氏が語る「EVの魅力」
このように技術の進歩とともに、EV(電気自動車)が当たり前になっていく流れは不可逆だと考えています。そして現段階でもEVはガソリン車を上回る性能を発揮しているとも考えています。たとえば、高級なエンジン車であっても、もはやEVには勝てないほど、EVは静粛性が高く、走行時のストレスが少ないです。走行中に電話会議ができるほどです。また、運転を自動でサポートしてくれるマネージングシステムに関しても、非常にポテンシャルの高さを感じますしね。
また、速度という点で言えば、仮にリニアモーターカーが本気で加速すれば、乗っている人を全員気絶させてしまうことができるほどスピードを出すことができるのです。それくらいガソリン車の内燃機関よりも、モーターのほうがパワーがあります。
EVの30年後を想像してみると、今研究が進められているバッテリーは必ず大きな進化を遂げているはずです。たとえば、1回充電すると、1年間走り続けることができるとか、漫画みたいな世界になっているはずです。また、エネルギー効率も高まり、ますます環境負荷の少ないモビリティとして不動の地位を獲得しているのではないでしょうか。 【次ページ】片山氏が検証、自転車とプリウスはどっちが燃費良い?
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR