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- 2023/08/09 掲載
ボーイングの予測航空機需要は20年間で「4.2万機」期待かかる脱炭素航空機
連載:「北島幸司の航空業界トレンド」
ボーイングによる今後20年の航空機需要予測
ボーイングは6月18日、今後20年の航空機需要予測について、4万2595機の航空機が必要になると発表した。毎年3.5%の成長であり、総額では8兆ドルの市場価格になる。航空機が必要となる地域の内訳は、北米23%、アジア太平洋22%、ユーラシア大陸21%、中国20%と予測する。この発表をもとに、6月20日に航空ショー会場でボーイング民間航空機マーケティング担当副社長のダレン・ホール氏が今後の航空需要に関するプレゼンテーションを行った。
まずは、コロナ以前と現在を比較して航空機のマーケットの需要動向が発表された。対2019年において2020年では旅客機運航数は50%であり、輸送力は25%であったものが、2023年では運航数は97%にまで回復し、輸送力も90%までなったと順調な回復であると述べた。
具体的な受注数は2022年ファーンボロ航空ショーからの1年で1100機の航空機受注を受けたことになる。うち800機がナローボディの737Maxのもので、280機はワイドボディ787であった。この1年の傾向は、1回の受注が100機以上になる大型商談が多かったことが特徴となり、648機がそのまとまった数字になる。
続いて、ナローボディ機、ワイドボディ機、貨物機、環境対策の4つの項目について説明があった。
・ナローボディ(単通路)機
コロナ禍以降で、受注の動きが早かったのはナローボディ機である。現在、70のエアラインが1125機のボーイング737Maxを就航させている。コロナ禍以降に1802機の受注を受け、うち2023年6月14日までに820機が納入された。
737Maxは4つのシリーズを持つが、それぞれに特徴がある。Max7はLCCに最適である。Max8は用途が広く、Max9は大容量である。Max10は最も効率的と言える。
・ワイドボディ(双通路)機
ワイドボディ機についてはナローボディ機よりも需要の戻りが遅かったが、ここにきて急速にコロナ禍前の需要に戻りつつあるという。現在、ボーイングのワイドボディ機は、世界の628の空港で就航しているという数値がある。
また、2022年の第4四半期のみでもボーイング787はユナイテッド航空への100機を含む280機の受注を受けた。コロナ以降の傾向では、航空業界でワイドボディ機の64%がボーイング製であり、2019年から25%の割合でプレミアムクラス席が増加したという調査結果がある。
今後は2036年までに1000機の買い替え需要があると予測しており、ワイドボディ機の中でもボーイング777Xは唯一の400席クラスの新世代航空機であり、今後の需要増に期待がかかるという。
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