疑心暗鬼を招く「無駄なアラート」
いまや、あらゆる業種・業態でDXの推進が求められているが、うまく実現できている企業は多くない。実はその原因の1つに、DXの運用や管理、いわゆる「守り」の戦略を顧みず、新しい技術をどんどん導入してしまうことが挙げられる。
IT環境がクラウド化し、システムのリリースを短期化するDevOpsや、コンテナやマイクロサービスなどのクラウドネイティブ技術を取り入れて開発の単位や期間が縮小すれば、一方でシステムの監視などの手間は増えていく。作業負荷の増大は、DXを阻害する要因にもなり得るため、本当にDXを成功させるためには「守り」をおろそかにするわけにいかない。
DXの「守り」における課題の1つが、IT運用部門が受け取るアラートへの対応だ。デジタル化によって、システム監視ツールが通知するアラート数は増加してしまう。しかも、そのすべてに何らかの対応が求められるわけではなく、運用担当者が調査した結果、「対応が不要なアラート」と判明するケースも少なくない。
無駄な作業は、運用担当者の負担となるだけでなく、ミスの誘発やモチベーションの低下にもつながる。また、度重なる不要な通知は、運用担当者に疑心暗鬼を生じさせ、アラート自体の信用性も損なわせる。こうした悪循環はDXを妨げ、ビジネス成長を押し留める足かせともなるだろう。
では、DXにおける「守り」の課題を、いかにして解決すべきなのだろうか。ここで重要な役割を果たすのがAIだ。
この記事の続き >>
・クラウド自らが異常を検知する「オートノマスクラウド」とは?
・「AIOps」や「NoOps」でDXにおける強固な「守り」を実現
・米キーバンクのCX向上事例や、SAPが問題解決時間を60%まで短縮した事例