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  • 2018/04/19 掲載

消失の危機からデータを救う 「Peace of Mind」 という考え方

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ビジネスのデジタル化が進展し、データの種類も量も爆発的に増えている。その中で「ストレージがシステムの足かせになっている」という声が増えてきた。仮想化技術などが劇的に普及したサーバと異なり、ストレージは20年前から変わっていないと酷評されることさえある。企業はデータ消失を引き起こすシステム障害や電源喪失などのトラブルに先手を打ち、どのようにビジネス要件にあったストレージインフラを整備していけばよいか。ストレージ視点でのIT投資の最適化手法を探る。

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ストレージは、もはやサーバのオプションではない
(© Gorodenkoff – Fotolia)


データの重要性が高まる中、ストレージ重視の傾向が強まる

 データを活用し、新たな価値を生み出す変革に取り組む企業が増えている。IoTやDevOpsなどビジネス課題に直結するテーマも出てきており、システム要件はますます複雑化する一方、スピードや柔軟性もこれまで以上に求められるようになっている。

 このようにデータへの期待やその重要性が高まる中、企業のITインフラには、これまでになく細心の注意が求められる領域がある。それがストレージだ。ある調査によると、企業システムの障害要因では、依然として約3割がハードウェアの故障や不慮の事故等に起因しているといわれ、データ消失の直接的な原因にもなっている。

 たとえば、異なるサービスレベルのシステムが1つの物理ストレージの中に混在しているケースがあり、中にはミッドレンジのストレージで、ミッションクリティカルなシステムが稼働しているケースもある。また、経営層と現場で事業継続やデータ保護に関する認識の違いが解消されないままプロジェクトが進み、いざその状況になった時に初めて認識の違いが露呈し、愕然とするケースもある。

 では、なぜストレージへの投資が進みにくいのだろうか。その理由は大きく3つ考えられる。1つ目は、ストレージはサーバの付属品であり、機器選定では容量と単価を一番重視しているケースだ。サーバと同じベンダーでよいとの認識で、具体的な検討はベンダーやシステムインテグレーターに任せている企業が該当する。

 2つ目は、重要性を認識しながらも「費用対効果が見えない」ことを理由に、「安全」・「安心」の追求よりも他の項目が優先されるケースだ。たとえば、システムの二重化や災害対策サイトの構築、バックアップ体制の確立への投資よりも、データ活用で新たに顧客価値を創造するプロジェクトを優先するなどが該当する。

 そして、何より多いと想定されるのが3つ目、(少なくとも現時点では)安定的に稼働している現状のシステムに手を入れる必要性を感じていないことが挙げられるだろう。前述の費用対効果が見えないことに加え、ソフトウェアのアップデートに伴うバグやほんのささいな構成変更がシステムの安定稼働を損なう可能性があるからだ。

 こうした状況下、限られた予算の中で、いかにしてビジネス要件に合致したITインフラを整備していけばよいのだろうか。そこでぜひ実施したいのが、重要なデータと、そのデータを保管しているストレージインフラの棚卸しだ。

 現在の状況をビジネスやITの戦略と照らし合わせ、必要な対策への対応状況と今後のアクションについて、社内のステークホルダーが合意する必要がある。

 それを推進するためにヒントとなるのが、企業資産として重要性を増すデータの消失不安を解消するための「Peace of Mind(心の平和)」というキーワードだ。

この記事の続き >>
・Peace of Mindを獲得するための6つのステップ
・大手流通小売は既存資産を生かしながら新技術を採用
・ストレージサービスの目指すべき姿とはいかなるものか

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