不可欠だった大量のエラーメッセージの削減
インフォセンスは、大手物流企業として知られる山九の情報システム部門を母体とする企業だ。山九の100%子会社として、主に物流に関わるさまざまなITシステムを開発し、山九のビジネスをITで支えるとともに、物流で培った独自のITノウハウを多様な製品・サービスとして、多くの企業にも提供している。
親会社である山九の事業発展に伴い、同社に求められるシステム開発および運用範囲も拡大。そこで、今後のIT戦略そのものを立案するために相談したのが、野村総合研究所(以下、NRI)だった。アウトソーシング事業部 運用サービス部 マネージャー 永浦秀敏 氏は次のように説明する。
「コスト、生産性、品質面からNRIのシステムコンサルティングサービスを受けました。その結果、外部リソースを有効活用し、内製化すべき範囲を広げるためにクラウドとOSSの活用方針を決めました。それを受けて、現在のシステム基盤を検討した結果、システム運用の集約化と効率化、運用の見える化が不可欠だと判断しました」(永浦氏)
システム監視については、オンプレミス/クラウドのそれぞれについて、オープンソースの運用管理製品を使っていたが、オンプレミス/クラウドごとに運用がバラバラだった。アウトソーシング事業部 運用サービス部 小手川雄貴 氏は、同社が抱えていた運用の課題を次のように語る。
「システムから発せられるエラーメッセージは、1日平均で1800件にものぼり、どれが重要なメッセージなのか判断するのが難しい状況でした。もともと、システムの運用改善は毎年実施していましたが、毎年問題となっていたのが、この大量のエラーメッセージでした。システムの運用改善を前に進めるには、まずはこの問題を解決しなければならないという認識だったのです」(小手川氏)
フィルタリングと複数システムを一元管理する機能を評価