ユーロ圏企業の景況感が小幅に改善、ＡＩは好調＝ＥＣＢ調査

[フランクフルト ３１日 ロイター] - ユーロ圏の企業は景況感の小幅な改善を感じている一方、ＡＩ（人工知能）など一部のセクターが好調だとしても、まだ緩やかな成長にとどまると見込んでいる──。欧州中央銀行（ＥＣＢ）が非金融会社を対象としたこのような調査結果を３１日に公表した。

ＥＣＢは「多くの企業がデジタルインフラに力強く投資しており、ソフトウエアやデータベース、特にクラウドソリューション、ＡＩに対する需要が大幅に伸びている」と述べた。

各企業によると、こうした投資は金融・公共部門で特に活発で、ＡＩ導入が進むことで伝統的なコンサルティング会社のビジネスモデルも破壊され始めている。

一方、製造業は苦戦が続いている。

「製造業の生産は関税、不確実性、競争力への挑戦、消費財支出の比較的抑えられた伸びによって依然として圧迫されており、短期的に改善はほとんど見込めない」という。

ただ、建設業は徐々に転換点を迎えているほか、ＥＣＢによると、個人消費は依然低迷しているが、各企業は観光・ホスピタリティー分野に関連した消費の大幅な伸びを報告した。

また、雇用見通しは比較的なお低調で、賃金の伸びは緩やかになっている。