- 2026/02/05 掲載
日鉄、今期の最終赤字700億円に拡大へ 室蘭製鉄所のトラブル響く
Ritsuko Shimizu
[東京 5日 ロイター] - 日本製鉄は5日、2026年3月期の連結純損失(国際会計基準)が従来予想の600億円から700億円(前期は3502億円の黒字)に拡大する見通しと発表した。鋼材需要が低迷する中、中国からの安価な鋼材輸出が市況を押し下げている。加えて、北日本製鉄所(室蘭地区)の設備トラブルの影響が利益を下押した。
今期は、USスチール買収に伴う事業売却など一過性の損失を計上するため、赤字となっている。USスチールの収益貢献は今期見込んでいない。岩井尚彦最高財務責任者(CFO)は会見で、米国の市況は回復しつつあるものの「米国の大寒波で輸送系が止まったり顧客への影響が懸念されるため不確実性が高く、USスチールの収益貢献は見込んでいない」と説明した。米国の鋼材市況回復に支えられ、来期は「それなりの回復が見込める」という。
鋼材需要は、AI(人工知能)、電力、防衛など一部を除き、製造業・建設業共に低迷。中国からの安値の輸出が国際市況の低迷を招き、厳しい事業環境が続いている。生産・出荷、マージンの悪化につながり、コスト改善ではカバーしきれていない。
こうした環境悪化に加え、北日本製鉄所(室蘭地区)の設備トラブルで一時的に高炉を休止しており、関連コスト約400億円を計上。在庫評価差などを除く実力ベースの事業利益は6200億円と前回公表から600億円下方修正した。室蘭の高炉について、岩井CFOは「3月末の火入れを目指している」とした。
4500億円の黒字を見込んでいた連結事業損益は、前年比38.5%減の4200億円の黒字へ引き下げた。
今期の資産圧縮は1000億円程度とし、前回公表から300億円積み増した。
単独粗鋼生産は年間で3400万トンと前回予想から50万トン引き下げた。鋼材平均価格は1トンあたり13万9000円とみている。
USスチール買収費用として調達したブリッジローン(つなぎ融資)の期限が6月に到来するが、資金調達については「最適な調達を進めていくが、何も決まっていないのが事実」と述べた。ロイターは5日、最大で5000億円の転換社債(CB)の発行を検討していると報じた。
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