- 2026/03/19 掲載
原油高、長期化ならリスク大=金融政策運営に影
【ワシントン時事】米国とイスラエルのイラン攻撃をきっかけに原油価格が高騰し、インフレ高進と景気悪化が同時進行する懸念が浮上、連邦準備制度理事会(FRB)を含めた各中央銀行の政策運営に影を落としている。原油高が実際に経済への打撃となるかは、長期化するかどうか次第だ。ただ、中東地域の混乱は収まる気配がなく、懸念は日増しに強まっている。
「中央銀行の銀行」とされる国際決済銀行(BIS、本部スイス・バーゼル)の金融経済部門トップ、ヒュン・ソン・シン氏は原油高への対応に関し、「戦争や価格上昇がどれほど続くかに左右される」と指摘。「短期的ならば、中銀は(利上げなど)金融政策で対応せず、やり過ごすべきだ」と話した。
もっとも、油価高騰によるインフレ再燃と各中銀の利下げ手控えを見越し、「市場は短期金利上昇で反応している」(ヒュン・ソン・シン氏)。世界には、中東情勢悪化が招いた原油高にまつわる苦い記憶がある。1970年代、第4次中東戦争などに絡んだ2度の石油ショックもあり、インフレ高進が長期化。各国経済は大きく混乱した。
一方、70年代を教訓に、各国はエネルギー利用の効率化などを推進。経済における石油依存度は現在、当時と比べて大きく低下している。
だが、特に車社会の米国では、原油高騰によるガソリン価格上昇は消費者心理に響きやすい。将来物価が上がるとの予想がインフレを招きかねない。「ガソリン高が人々のインフレ見通しを押し上げれば、FRBが原油高騰を無視するのは難しくなる」(前FRB高官)と、物価抑制に向けた利上げへの政策転換を警戒する声も上がっている。
【時事通信社】 〔写真説明〕国際決済銀行(BIS)本部=スイス・バーゼル(EPA時事)
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