• 2026/03/19 掲載

企業の成長投資支援へ、銀行の機能強化提言 エクイティ活用も=全銀協

ロイター

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[東京 19日 ロイター] - 全国銀行協会(全銀協)は19日、中長期的な金融仲介の在り方に関する報告書を取りまとめ、銀行に対し企業の成長投資を支援する機能の強化を求めた。貸出に加え、エクイティなどリスクマネーも活用した多様な資金供給や投資支援の強化が必要との認識を示した。

背景には、人口減少下で持続的成長を実現するには企業の成長投資が不可欠との問題意識がある。報告書では日本では企業の投資不足と相まって貯蓄超過と低成長が続き、家計資産の多くが預金として金融機関に滞留する一方、間接金融に偏重する中、企業へのリスクマネー供給は限定的にとどまってきたと指摘。一方、半導体やデジタル化、脱炭素といった分野では投資拡大の兆しも出ており、こうした環境変化に対応した金融機能の見直しが求められているという。

報告書はまた、企業へのヒアリングを通じ、成長投資の課題は資金面にとどまらず、人材不足や予見可能性の低さ、利害関係の複雑化など多岐にわたると指摘した。そのうえで金融仲介の役割を担う銀行には、事業計画段階から関与し投資案件を組成する機能や、企業との対話を通じて再編や承継を促す役割が求められるとした。

資金供給面では、成長投資のリスクの量や質が従来と異なる可能性に言及し、銀行に対しハイリスク案件への対応やリスクに見合ったリターン確保の重要性を示した。デットに加えローン(融資)とエクイティ(出資)の中間に位置するメザニンやエクイティの活用を進めるとともに、ローンの流通(セカンダリー)市場や社債市場の活性化を通じ、多様な資金供給主体の参入を促す必要があるという。

今後国内企業の成長投資を後押しするとみられる高市早苗政権が掲げる「戦略17分野」では、技術が未認証だったり、事業の経済合理性を確保できていなかったりするなどの分野が多くなる可能性があるとも指摘し、非常に重要な戦略的産業の事業、特に成長初期の段階では、補助金や政府保証など公的支援を呼び水に民間資金の呼び込みを図るとの考えを示した。

さらに、成長投資が大きく拡大する中で、規制の制約下での対応が難しくなった場合、より広範なリスクテイクや非金融事業を可能とする一般持株会社の枠組みも検討対象となり得るとしたが、これは中長期的な検討分野と位置づけた。

全銀協は昨年6月にワーキンググループを設置し、銀行に加え証券、保険、投資信託などの業界の幅広い関係者を交えて議論を重ね、報告書を取りまとめた。銀行界としては、今後も提言の実行状況を継続的に検証していくとしている。

全銀協は同時に、稼働から50年以上が経過した全銀システムの老朽化や機能制約、国際競争力の低下といった課題を踏まえ、新たな決済システムの構築に向けた基本構想を取りまとめた。リアルタイム決済の高度化やデータ活用、国際送金連携などを柱とし、2030年の稼働を目指す一方、2026年度に構築の是非を判断する予定という。

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