- 2026/03/25 掲載
主要国PMIが軒並み悪化、エネルギー高騰で景気が急失速
[フランクフルト/ワシントン 24日 ロイター] - 各国で発表された総合購買担当者景気指数(PMI)によると、エネルギー価格の高騰と不確実性の高まりが経済活動を抑制し、インフレ期待を押し上げていることが明らかになった。イラン戦争がすでに世界の主要経済に打撃を与えていることを示した。
米国、欧州、日本の企業の購買担当者を対象とした同調査の速報は、世界のエネルギー供給の大部分を停止させた約4週間にわたる紛争の経済的影響を、これまでで最も包括的に捉えたものとなっている。
石油やガス、およびその関連製品の価格急騰は、世界経済にとってインフレの拡大や経済成長の阻害につながる恐れがある。これは、トランプ米大統領自身を含む各国政府にとって厄介な問題となるだけでなく、世界の多くの中央銀行が物価上昇圧力抑制に向けてより引き締め的な金融政策を検討するきっかけとなっている。
ユーロ圏21カ国・地域では、企業が納期延長やコスト上昇を示唆し、それを価格転嫁する動きが見られたため、今月は民間部門の成長がほぼ停滞した。
S&Pグローバルがまとめた3月のユーロ圏のHCOB総合PMI速報値は50.5となり、前月の51.9から低下し、10カ月ぶりの低水準を記録した。国別の指標では、フランス企業の景況感が大幅に低下し、ドイツの民間部門の成長は3カ月ぶりの低水準に減速した。
S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのチーフビジネスエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「中東紛争が物価を急騰させ、成長を抑制しており、ユーロ圏PMI速報はスタグフレーションの警鐘を鳴らしている」と述べた。
S&Pグローバルの米国調査でも同様に、エネルギー価格の上昇がインフレ懸念を高める一方で、企業景況感の悪化は民間部門の雇用見通しの悪化を示唆している。
3月の米総合PMI速報値は51.4と、前月の51.9から低下し、昨年4月以来、11カ月ぶりの低水準となった。低下はサービス部門によるものだった。
他のG7諸国の状況もさほど変わらなかった。
3月の英国の総合PMIは51.0と、前月の53.7から低下し、過去6カ月で最低となった。中東戦争による燃料・輸送・原材料価格の高騰が主因となり、製造業の投入コスト上昇率は1992年以降で最大となった。
日本では、製造業とサービス業の活動を合わせた総合PMIが、2月の53.9から3月には52.5に低下した。
世界の石油輸送量の約5分の1が通過するホルムズ海峡の事実上の閉鎖によるエネルギーショックが深刻化しているにもかかわらず、今のところ、この戦争が世界経済を本格的な不況に陥れると語るエコノミストはほとんどいない。オックスフォード・エコノミクスのニコラ・ノビル氏はユーロ圏への影響について「このシナリオは、紛争の期間とエネルギー価格の見通しに大きく左右される」とコメントした。
とはいえ、米国とイスラエルのミサイル攻撃への報復としてイランが湾岸地域のエネルギーインフラに与えた損害を考えると、経済的影響は短期間で終わらないという認識が広まりつつある。
経済協力開発機構(OECD)シンクタンクは先週、紛争が世界経済成長に与える影響を定量化するには時期尚早だとしながらも、世界経済には「相当な下振れリスク」があると指摘した。
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