- 2026/03/25 掲載
一時的インフレ上振れでも緩やかな引き締め必要な可能性=ECB総裁
Balazs Koranyi
[フランクフルト 25日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は25日、現在のエネルギーショックによりインフレ目標が持続的ではない形で上振れる場合でも、緩やかな金融引き締めが必要になる可能性があるとの見方を示した。
ECBは先週、政策金利を据え置いたが今後の物価急上昇への懸念を示した。
総裁はフランクフルトでの講演で、「このショックにより、長続きしない形であっても(インフレ)目標を大幅に上回ることになれば、政策の慎重な調整が必要になる可能性がある」と述べた。
その上で「こうした目標の超過を完全に放置することは、コミュニケーション上のリスクを招きかねない」とし、政策対応しないことに一般の理解を得るのは難しい可能性があると指摘した。
ラガルド氏は自身の基準を、ECBが先週示したシナリオのいずれかと明確には結びつけなかった。
ECBの最も楽観的な「ベースライン」シナリオでは、インフレ率は昨年の約2%から上昇、今年は平均2.6%となる見込みだ。悪化シナリオでは、今年下半期に4%超でピークに達するが、2027年半ばまでに目標水準に戻る見通し。深刻な悪化シナリオでは、インフレ率は来年初頭に6%超でピークに達し、今後数年間は目標水準に戻らないとしている。
総裁は「インフレ率が目標値から著しく、かつ持続的に乖離すると予想される場合、適切な力強さで、また持続的に対応する必要がある」とし、そうしなければ連鎖的なインフレ加速でアンカーが外れるリスクが深刻になると表明。「予想通りインフレ目標からの乖離が拡大して持続的になるにつれ、行動を起こす根拠は強まる」と主張した。
市場関係者は、今後数年にわたりインフレ率が目標を上回ると見ているため、年内にECBが2─3回の利上げを行うと予想している。
2021ー22年のインフレ急騰時にはECBの対応が遅いと批判された。ECBは当時、インフレの急上昇は一時的と判断しインフレ率が8%程度に達するまで利上げを行わなかった。
ラガルド氏は、現在の状況は全く異なるとし、複数の要因が物価転嫁の程度が小さいことを示唆していると指摘。「これまでのところエネルギーショックは特に天然ガスの場合に規模が小さく、労働市場はそれほどタイト化しておらず、パンデミック後のような需要の積み上がりもない。財政政策は引き締められており、中央銀行の政策金利も高い」と述べた。また歴史的にみてエネルギー価格による広範な波及リスクは例外的だとの見方を示した。
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