- 2020/12/11 掲載
ユーロ上昇、ECB追加緩和に期待外れの見方=NY市場
ECBは10日、新型コロナウイルスの感染第2波に対応しユーロ圏経済を支援するため、追加の金融緩和策を打ち出した。パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の全体的な規模を1兆8500億ユーロに5000億ユーロ拡大するほか、期間を2022年3月まで9カ月間延長する。
しかし、INGのマクロ部門グローバルヘッド、カーステン・ブレスキ氏は、「ECBは新たなバズーカを示さなかった」と指摘。現在の緩和水準を少なくとも2022年春まで延長し、それまでにワクチンが効果を発揮することを期待して、ありきたりの手段をうまくまとめて延長しただけと述べた。
ECBはまた、ユーロが先週に対米ドルで2年半ぶりの高値を記録したことを受け、中期的なインフレ見通しへの影響を監視しているとも指摘。
TDセキュリティーズの為替戦略担当グローバルヘッド、マーク・マコーミック氏は、「ECBも最近の為替動向にさりげなく言及し、ドルの下落を強調した」とし、「ECBが市場のトレンドを逆転させるためにできることはあまりない」と述べた。
終盤のユーロは0.49%高の1.2082ドル。ドルは対カナダドルでも0.61%安の1.2741カナダドル。一時は18年4月以来の安値となる1.2708カナダドルを付けた。
米労働省が発表した12月5日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は85万3000件と、前週の71万6000件から予想以上に増加し、これもドルを下押し要因になった。
一方、ムニューシン米財務長官と民主党のペロシ下院議長は、新型コロナ経済対策法案を巡る超党派の協議に「大きな進展」が見られているとの認識を示した。
英ポンドは0.72%安の1.3305ドル。ジョンソン首相は、EUとの通商交渉で合意できない可能性が大きいとの考えを示した。ただ、交渉をまとめるためにどこにでも出向くとも述べた。
オーストラリアドルは1.26%高の0.7537ドルで、2年半ぶりの高値を更新。世界的に成長が改善するとの楽観論が強まり、豪準備銀行による追加緩和の可能性は低いとの見方が強まった。
ドル/円 NY終値 104.20/104.23
始値 104.53
高値 104.56
安値 104.18
ユーロ/ドル NY終値 1.2136/1.2140
始値 1.2088
高値 1.2158
安値 1.2082
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