- 2020/12/15 掲載
ドル下落、ワクチン進展でリスク選好度上昇 ポンド高い=NY市場
ドル指数は終盤の取引で0.07%安の90.7040。一時90.419と、2018年4月以来の安値に沈んだ。
米国では14日、米ファイザーが独ビオンテックと共同開発した新型コロナワクチンの接種が始まった。一番手はニューヨーク州ロングアイランド・ジューイッシュ・メディカル・センターの集中治療室(ICU)で働く看護師のサンドラ・リンゼイさんだった。
テンパスのシニア為替トレーダー兼ストラテジスト、フォアン・ペレス氏は、ワクチン接種の開始を受けて「極めて力強いリスクオンムードが広がった」と指摘した。
また、米与野党はこの日、総額1兆4000億ドルの2021年度予算案を巡り、詰めの協議を行った。さらに、議会の超党派グループが提案した9080億ドルの新型コロナ救済法案は、2つに分割される見込み。議会指導部はコロナ救済法案を21年度予算案に付帯させたい考えだ。
OANDAのシニア市場アナリスト、エド・モヤ氏は「救済策が実現する可能性があるとの楽観的な見方が台頭しつつあり、ドルにはマイナス材料だ」と述べた。
英国と欧州連合(EU)通商協議の合意成立への期待から、ポンド/ドルは0.79%高の1.3324ドル。
EUで英国のEU離脱問題を担当するバルニエ首席交渉官は、英国との貿易協定締結は依然として可能だとした上で、向こう数日がヤマ場になるという認識を示した。
高リスク通貨の豪ドルやニュージーランドドルも上昇。NZドルは0.08%高の0.7086米ドルと、18年4月以来の高値を付けた。豪ドルも0.07%高の0.7539米ドル。
ユーロ/ドルは約0.31%高の1.2146ドル。欧州各国が導入するコロナ制限措置による市場への影響は限定的だった。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは0.03%高の1万9132.83ドル。
市場では、今週開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)や英中銀の金融政策会合が注目されている。
ドル/円 NY終値 104.03/104.06
始値 103.74
高値 104.09
安値 103.52
ユーロ/ドル NY終値 1.2143/1.2146
始値 1.2153
高値 1.2176
安値 1.2124
(表はリフィニティブデータに基づいています)
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