- 2020/12/15 掲載
ドイツ経済、再び景気後退入りリスク コロナ規制強化で
メルケル独首相と各州は、11月2日に導入したコロナ対策の効果があまり出ていないため、国内の大半の店舗を16日以降、少なくとも来年1月10日まで閉鎖することを13日に決めた。
ドイツ経済は、新型コロナの感染第1波の影響で、第1・四半期に1.7%、第2・四半期に9.8%とそれぞれ縮小。過去最悪の景気後退に陥った。ただ、第3・四半期は個人消費や輸出が持ち直し、8.5%増と予想以上に回復した。
アルトマイヤー経済相は14日、規制を強化しても経済が再び景気後退入りすることは回避できるとの期待を示した。
一方、エコノミストの間では景気の二番底懸念が広がっている。
行動規制の強化により、16日以降も営業が認められるのは、スーパーマーケットや薬局、銀行など必要不可欠な店舗のみで、美容院などは営業禁止となる。
コメルツ銀行のチーフエコノミスト、Joerg Kraemer氏は、国内の大半の店舗が閉鎖を余儀なくされれば産業界に打撃が及ぶと指摘し、リセッションの可能性が高まるとの見方を示した。
コメルツ銀行は、第4・四半期の国内経済は少なくとも1%縮小し、2021年第1・四半期も0.5%落ち込むと予想している。
ベレンベルク銀行のエコノミスト、Holger Schmieding氏は、第4・四半期の成長率はマイナス1.8%と予測。前回予想のマイナス1.0%から下方修正した。ただ、21年の第2・四半期にはこの縮小分を取り戻す成長が見込めるとしている。
同氏は「ショックは感染第1波の時よりも小さい。われわれはロックダウンへの対処法を第1波の時よりもよく学んでいる。製造業や輸出は、ほとんど影響を受けていない」と説明した。
10月の堅調な鉱工業受注や鉱工業生産、小売売上高など各種指標は、ドイツ経済が11月の行動規制導入前に底堅い第4・四半期のスタートを切ったことを示している。
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