- 2021/02/06 掲載
対ベトナムや台湾で赤字増=関税回避、中国に代わり―米貿易統計
【ワシントン時事】米商務省が5日発表した2020年の貿易統計によると、国際収支ベース(季節調整済み)の物品貿易赤字は9158億ドル(約97兆円)と2年ぶりに過去最大を記録した。トランプ前政権が中国に貿易戦争を仕掛けた結果、ベトナムや台湾を経由した輸入が増えている。
前政権は中国からの輸入品の約7割に制裁関税を課したが、貿易赤字削減の効果は乏しい。通関ベース(季節調整前)の対中赤字は18年に過去最大の4192億ドルとなった。20年は3108億ドルまで縮小したが、関税合戦が本格化する前の17年比で2割減にとどまる。制裁対象である電子機器や機械の輸入が減少した。
一方、中国以外の国に対する赤字が急増している。20年の赤字額は17年比で対ベトナムと対台湾がともに8割増、対メキシコが6割増。中国に拠点を持つ企業が関税を回避しようと生産を移管したほか、中国製の電子部品を第三国で完成品にして米国に送る「迂回(うかい)取引」も増えており、前政権はベトナムなどの為替政策の監視を強めていた。
【時事通信社】
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