- 2021/03/14 掲載
電機、ベア上積みで最終攻防=自動車は厳しい交渉―春闘大詰め
2021年春闘で、大手企業の賃上げ交渉は、17日の集中回答日に向け、週明けから大詰めを迎える。交渉が先行する電機大手の労働組合は、従業員の基本給を底上げするベースアップ(ベア)で月額500円以上を固め、1000円への上積みを目指して最終盤の攻防に入った。自動車大手の多くでは、回答日直前まで厳しい交渉が続きそうだ。
電機のベアは8年連続。電機メーカーの労組で組織する電機連合は13日、日立製作所、パナソニックなど大手6社の労務担当役員と最後の産別労使交渉をオンライン形式で行った。電機連合関係者は同日、「(ベアが)500円なのか1000円なのか、最後の交渉が続いている」と述べた。
電機連合は、要求額と回答額を各社でそろえる「統一闘争」を進める。傘下労組は、ベアの統一要求を2000円と昨年より1000円下げて交渉。一部労組が14日に行う交渉を踏まえ、統一回答の基準を500円以上から実質1000円以上に引き上げられるか判断する見通し。
経営側は、横並び脱却を目指しており、業績によって統一回答を上回るベアを実施する企業も出てきそうだ。
自動車大手の賃上げ交渉はこれから最終局面に入る。トヨタ自動車労働組合は、昨年の要求を下回る月9200円の賃上げを要求しているが、ベアを求めているかどうかは公表していない。10日までに3回開いた労使協議では、厳しい経営環境や働き方の見直しなどを中心に意見を交わした。
一方、ベア要求を見送ったホンダの労使交渉は、労組の一時金要求(年5.3カ月)に経営側が満額回答し、スピード決着している。
【時事通信社】
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