- 2022/06/01 掲載
三菱ケミカル・NTTデータなど、スマートフードチェーンシステムの輸出実証試験を開始
このたび、プロトタイプのスマートフードチェーンシステムが完成しましたので、2022年度より本格実証試験を開始します。
本プロジェクトによるスマートフードチェーンの代表的な構成は以下のとおりです。
(1)スマートフードチェーンシステム概要(図1)
生産者や物流倉庫、小売店において、トレイサビリティ情報として輸送経路、輸送時の温度や衝撃等の情報を取得します。これらの情報はブロックチェーン技術を用いて記録することで情報改ざんを防ぎ、情報の正しさを担保します。NTTデータのBlockTrace(R) for Cold Chain(注3)およびDXプラットフォーム「iQuattro(R)(注4)」を活用したトレイサビリティシステムに記録された情報は小売店での品質担保や消費者向けの情報発信に活用され、安心・安全を届けることが可能です。
(2)RFID温度ロガータグを活用した温度管理(図2)
RFID温度ロガータグをスマートフードシステムの情報連携基盤となるスマートフードチェーンプラットフォームukabis(注5)と接続し、NTTデータが開発したブロックチェーンを活用したスマートフードチェーンシステムへの書き込みを可能としました。
スマートフードチェーンシステムは生産者、流通業者、消費者の情報連携をおこなうとともに、日本産食品輸出拡大においてグローバルな日本食品の価値向上につながると考えています。また、SDGs貢献の市場展開(サステナブルチェーンの構築、サステナブルな製品・サービスへの転換など)を推進する役割へステップアップすることを期待しています(図3)。
本プロジェクトの最終年度として2022年4月より、広く日本の農林水産物・食品の輸出を希望される方々にスマートフードチェーンシステムを活用いただき、効果の検証を進めていきます。
注1 SIP「スマートバイオ産業・農業基盤技術」 スマートフードチェーンコンソーシアム 大項目3輸出プラットフォームについて
本プロジェクト推進のため、三菱ケミカル株式会社がリーダーとなり、六つの民間企業(三菱ケミカル株式会社、株式会社NTTデータ、沖縄セルラー アグリ&マルシェ株式会社、タキイ種苗株式会社、株式会社堀場製作所、ヤマト運輸株式会社)によって構成された研究グループです。
注2 ブロックチェーンについて
インターネットなどオープンなネットワーク上で、高い信頼性が求められる金融取引や重要データのやりとりなどを可能にする分散型台帳技術であり、「誰が、いつ、どんな情報を台帳に書き込んだのか」を、偽造や改ざんがきわめて困難な形で記録・保管し、複数の当事者(企業)の間で共有する技術として使われています。 生産情報や輸送経路、輸送時の温度/衝撃等の情報をブロックチェーン上で共有するようになれば、内容の正当性と一貫性を確保することが可能となり偽装や改ざんを防ぐトレイサビリティ環境を整備することが可能になります。
注3 BlockTraceについて
「BlockTrace」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
https://www.nttdata.com/jp/ja/news/services_info/2021/031600/
注4 iQuattroについて
「iQuattro」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
https://enterprise-aiiot.nttdata.com/service/iquattro
注5 ukabisについて
SIP「スマートバイオ産業・農業基盤技術」 スマートフードチェーンコンソーシアムに参画する慶應義塾大学 SFC 研究所が中心となり開発したスマートフードチェーンプラットフォームです。スマートフードシステムを支える生産、加工、流通、販売、消費、資源循環、育種/品種改良におけるデータ共有を可能とする情報連携基盤です。
https://www.kri.sfc.keio.ac.jp/ja/wp/wp-content/uploads/2022/03/20220308_smartfoodchainplatform.pdf
関連タグ
関連コンテンツ
PR
PR
PR