- 2022/08/25 掲載
NY市場サマリー(24日)ドル・国債利回り・米株上昇、FRB議長講演待ち
<為替> ドルが上昇し20年ぶりの高値付近を維持した。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ抑止に向けどれだけ積極的に行動するかを巡り、新たな手がかりを求めて26日に行われるパウエルFRB議長の講演待ちとなっている。
カンザスシティー地区連銀がワイオミング州ジャクソンホールで25─27日に開催する毎年恒例の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で、パウエル議長は26日午前10時(日本時間午後11時)から講演する。
フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)でさらに75ベーシスポイント(bp)の利上げを行う確率は61%、50bpの利上げを行う確率は39%となっている。
ドル指数は0.13%高の108.67。7月14日に付けた20年ぶりの高値109.29をわずかに下回る水準で推移している。
ユーロは0.06%下落し0.9961ドル。23日には20年ぶり安値となる0.99005ドルを付けていた。エネルギー危機に直面しているユーロ圏の成長懸念が売り材料となっている。
豪ドルやニュージーランド(NZ)ドルなどの景気動向に敏感な通貨も、世界的な成長減速の懸念から圧力を受けている。
豪ドルは0.36%下落し0.6903米ドル、NZドルは0.53%下落し0.6180米ドルだった。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> ジャクソンホール会議を週内に控えポジションを固める動きが出たことで、国債利回りが上昇した。
市場でFRBは9月のFOMCで0.50%ポイント、もしくは0.75%ポイントの利上げを決定するとの観測が出る中、パウエル議長がジャクソンホールで行う講演はタカ派的なものになるとの見方が出ている。
FHNフィナンシャルのシニア金利ストラテジスト、ジム・ボーゲル氏は「パウエル議長は、インフレが過去のものになるまで政策を早期に転換することはないと改めて強調する」と予想。「FRBは常にタカ派的だ」とし、「現時点では必ずしもパウエル議長が他のFRB当局者よりもタカ派化するとは考えていない」とも述べた。
市場関係者は、財務省がこの日に実施した450億ドルの5年債入札が軟調だったことで国債に対する弱気姿勢が強まり、利回り上昇につながったと指摘。ジェフリーズはリサーチノートで「26日にジャクソンホールで行われる講演を前に、中期債の買いが控えられている」との見方を示した。
5年債入札は最高落札利回りが3.23%と、入札前予想を下回ったほか、応札倍率は2.3倍と、2021年2月以来の低水準だった。
10年債利回りは一時3.126%と、8週間ぶりの高水準を付けた。終盤の取引では5.6ベーシスポイント(bp)上昇の3.1095%。
30年債利回り<はUS30YT=RR>も3.33%と、8週間ぶり高水準を更新。終盤の取引で6.6bp上昇の3.321%。
2年債利回りは一時3.392%と、10週間ぶりの高水準。その後は4.7bp上昇の3.382%。
2年債と10年債の利回り格差はマイナス28bp。長短国債利回りが逆転する「逆イールド」は解消されていない。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 上昇して取引を終えた。エネルギー株や税務・会計ソフトのインテュイットが上昇し、相場を押し上げた。パウエルFRB議長が26日に経済シンポジウム(ジャクソンホール会合)で行う講演が注目されている。
インテュイットは2023年度の売上高見通しを好感して4%近く上昇。ハイテク株中心のナスダック総合を押し上げた。
顧客管理ソフト大手セールスフォースは四半期決算を受けて引け後の時間外取引で5.5%下落。通常取引は2.3%高で終えていた。
S&P総合500種の全11セクターが上昇し、エネルギーや不動産が上げを主導した。
FRBの積極的な引き締めスタンスや欧州のエネルギー危機、中国経済減速の兆しなどを巡る懸念から、S&P500は前日まで3日続落していた。
投資家の関心は25日から開かれるジャクソンホール会合に集まる。パウエルFRB議長は26日の講演で、今後の利上げのペースや経済のソフトランディング(軟着陸)の可能性などについて手掛かりを示す可能性がある。
フィットネス機器のペロトン・インタラクティブは20%超上昇。売れ筋エクササイズバイクをアマゾン・ドット・コムの米国向けサイトで販売すると発表した。
百貨店のノードストロームは約20%急落。通期の売上高・利益見通し引き下げを嫌気した。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> パウエルFRB議長の講演を控えて様子見ムードが広がり、ほぼ横ばいとなった。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比0.30ドル(0.02%)高の1オンス=1761.50ドルだった。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 続伸。米国産標準油種WTIの中心限月10月物の清算値(終値に相当)は前日比1.15ドル(1.23%)高の1バレル=94.89ドル。11月物は1.15ドル高の94.40ドルとなった。
報道によると、イラン外務省の報道官は24日、欧州連合(EU)がまとめた核合意再建案をめぐり、米国側の返答を精査中と述べた。ただ米国側はイランへの一段の譲歩に慎重との見方があり、交渉の進展への不透明感から買いが先行した。サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相は22日、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が減産を含むさまざまな手段を講じる用意があると発言。これを受けて、需給が引き締まるとの観測が高まり、市場では強地合いが続いている。
米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計で、原油在庫が前週比330万バレル減と、減少幅が市場予想(ロイター調査)の90万バレル減を大幅に上回ったことも相場の支援材料。ディスティレート(留出油)も70万バレルの取り崩しとなった。半面、ガソリン在庫が減少を見込んでいた市場予想に反して横ばいとなったことで見方が分かれ、在庫統計発表直後は売り買いが交錯する場面もあった。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 137.11/137.14
始値 136.76
高値 137.24
安値 136.56
ユーロ/ドル NY終値 0.9965/0.9969
始値 0.9920
高値 0.9999
安値 0.9911
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 94*01.00 3.3157%
前営業日終値 95*04.00 3.2560%
10年債(指標銘柄) 17時05分 96*30.00 3.1095%
前営業日終値 97*13.00 3.0540%
5年債(指標銘柄) 17時05分 97*25.50 3.2366%
前営業日終値 98*01.50 3.1810%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*22.63 3.4028%
前営業日終値 99*26.88 3.3350%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 32969.23 +59.64 +0.18
前営業日終値 32909.59
ナスダック総合 12431.53 +50.23 +0.41
前営業日終値 12381.30
S&P総合500種 4140.77 +12.04 +0.29
前営業日終値 4128.73
COMEX金 12月限 1761.5 +0.3
前営業日終値 1761.2
COMEX銀 9月限 1890.7 ‐11.9
前営業日終値 1902.6
北海ブレント 10月限 101.22 +1.00
前営業日終値 100.22
米WTI先物 10月限 94.89 +1.15
前営業日終値 93.74
CRB商品指数 298.8643 +2.5537
前営業日終値 296.3106
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