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名古屋鉄道グループ(名鉄グループ)は、中部圏で唯一の大手私鉄である名古屋鉄道を中核とするグループ企業だ。現在、生成AIを積極的に活用し、デジタル化に取り組んでいる同グループだが、2019年から取り組んだ業務プロセス改革プロジェクトでは、「名鉄のデジタル化は大きく遅れている」と外部コンサルタントから言われる状態であったという。いかにしてDXを推進したのだろうか。名古屋鉄道 デジタル推進部 グループDX担当課長 壁谷 知宏 氏(当時)に名鉄グループの反転攻勢と目指すDX像について話を聞いた。

コロナ禍で加速した名鉄のデジタル化

 名鉄グループは、鉄道を中心にバス、トラックなどの交通、運送、不動産、レジャー・サービスなど幅広い事業を展開し、子会社・関連会社は100社を超える。

 コロナの影響が収束し、業績がコロナ前の数字に戻りつつある企業が多い中、同社の鉄道事業の現状について、名古屋鉄道 デジタル推進部 グループDX担当課長 壁谷 知宏 氏(当時)は次のように説明する。

「鉄道のご利用人員が、ようやくコロナ前の90%程度に戻ってきました。ただし、完全には元に戻らないという前提で、DXを推進してビジネスモデルの変革や業務の効率化に取り組んでいるところです」(壁谷氏)

 ただし、同グループのデジタル化は大きく遅れていたと、壁谷氏は次のように続ける。

「2019年から、外部コンサルタントを活用して業務プロセスの変革に着手しました。その際、コンサルタントから『名鉄のデジタル化は大きく遅れている』と言われ、私も経営層もショックを受けました。それをきっかけに取り組みを加速し、この4-5年で大きく変わったと思います」(壁谷氏)

 この変革への意思が集約されたのが、2021年3月に発表された中期経営計画「Turn Over 2023 ~反転攻勢に向けて~」だ。ここからは、この計画に沿って実行された名鉄グループの“反転攻勢”の中身と目指すゴールについて紹介しよう。

この記事の続き >>

  • ・「鉄道だけではない」名鉄グループで取り組むDX
    ・名鉄グループならではのデジタル人材育成とは
    ・“活用したい”という声に押され「生成AI」を導入へ
    ・名鉄グループが目指す「DXのゴール」

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