- 2026/01/13 掲載
皮肉すぎ…大学に「910万円」払っても就職難のZ世代…激変する「まさかの人気な職業」(2/3)
連載:米国の動向から読み解くビジネス羅針盤
【トップ10】意外だった「1番人気の職業」
米就職支援のGlassdoorが調査した、2022年におけるZ世代に人気の職業トップ10を見てみよう(図3)。
やはり情報・専門サービスなど専門職が人気である。そして、意外なのが、管理者やマネージャーを抑えて1番人気の職業が「企業採用担当者」であることだ。参入のバリアが低い上に、昇進が早く、給与も悪くないからである。現実的に生活面を考えつつ、さらに満足度も高い職業がZ世代に人気であることが垣間見える。
一方、若者たちの「本音」がわかる別の調査もある。2023年に824人の18~29歳の回答者に、「キャリア目標」をたずねたところ、1位のビジネスパーソン(14%)を筆頭に、医師(12%)、エンジニア(9%)と続いたほか、4位に芸術家(7%)、8位には作家(4%)が入った(図4)。
若者らしく、クリエイティブな仕事で食べていきたいという夢があるようだ。実際に、Z世代が憧れる職業は「インフルエンサー」であるとの別の調査結果もあり、南カリフォルニア大学など一部の米大学では専門コースを設ける動きもある。
多くのZ世代の若者は仲間や先輩、教師や親に将来を相談する中で生活を安定させやすい仕事を志望するようになる。だが、夢を捨てがたい気持ちがあるのだろう。
【2026年】5人に3人が「ブルーカラー職」に
だがこうした中、最近では「手に職をつける」若者が増える兆候が見られ始めている。米自動車大手フォードのジム・ファーリーCEOは、年収が12万ドル(約1,870万円)に達する熟練レベルの自動車整備士の求人が5000人分も埋まらない現状を明らかにし、米国の熟練技能労働者不足が「深刻な」事態に陥っていると警鐘を鳴らしている。
また、全米電気工事士組合の統計によると、組合に所属する熟練工の平均年収は8万ドル(約1,250万円)を超える。
加えて、米国企業の多くで国内回帰(リショアリング)が優先事項となるにつれ、2030年までに米製造業では210万件の求人が満たされないと、米コンサル大手のデロイトは予測している。
新卒者などZ世代にとって、労働市場が極めて厳しい状況の下、発想の転換により、高給で安定した肉体労働を選択する若者が増えているのだ。まさに「ブルーカラー・ビリオネア(肉体労働の億万長者)」現象だ。
事実、米ResumeTemplates.comが2025年10月に行った調査によると、Z世代の5人に3人が2026年にブルーカラーの仕事に就くことを計画している。さらにその半数が、大学卒業以上の学歴を持つ人だという。
なお、2026年にブルーカラー職に就くことを計画しているZ世代の中で人気の高い職業トップ10は以下の図5の通りだ。
こうしたZ世代の職業観の変化は、厳しい就職環境が大きく影響している。米国では今、どのような状況に陥っているのだろうか。 【次ページ】背景(1):卒業から1年経っても「58%が職探し」
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