- 2025/12/20 掲載
スイカゲーム開発者が実践、天才じゃなくても「発想力が必ず高まる」たった1つの習慣
issin 代表取締役CEO。連続起業家。1982年 中国・河南省生まれ。東京工業大学(現・東京科学大学)卒。2008年 東京大学大学院情報理工学系研究科創造情報学専攻の修士在学中に、研究成果のpopInインタフェースを基に、東大のベンチャー向け投資ファンド「東京大学エッジキャピタル(UTEC)」の支援を受けて、東大発ベンチャー popInを創業。2015年 中国IT大手のBaidu(百度)と経営統合。2017年 世界初の照明一体型3 in 1プロジェクター「popIn Aladdin」を開発。4年間でシリーズ累計販売台数25万台を突破し、異例のヒット商品となる。2021年4月 issinを創業。同年6月 popIn Aladdin版「スイカゲーム」を開発。12月にNintendo Switchソフト「スイカゲーム」を発売し、累計1200万DLを突破し大ヒットゲームとなる。2022年4月 日常生活に溶け込む体重計「スマートバスマット」をリリース。『日経トレンディ』(2022年12月号)の「2023年ヒット予測ランキング」で、「ステルス家電」として2位にランキングされる。3年間で10万ユーザーを突破。2022年8月 popIn代表を退任し、issinのビジネスに集中する。
前編はこちら(この記事は後編です)
日常の小さな違和感、ちょっとした不便さが「発想の種」
すべての独創的な発想は、個人的な体験から始まります。しかしそれは、必ずしも劇的な出来事である必要はありません。日常の小さな違和感、ちょっとした不便さ、「なんでこうなっているんだろう?」という素朴な疑問……。そうした原体験が、「独自の発想」の出発点です。
私の場合、「popIn Aladdin」の発想の原点は、子どもの誕生でした。
親として「自分は子どもに何を提供できるだろうか?」という問いが頭から離れなくなったのです。「自分の価値観を子どもに押しつけたくはない。でも、何かしてあげたい」「本人に自分なりの幸せの価値観を持ってもらいたい」と。
この一見、矛盾した問いを突き詰める中で生まれた発想の1つが「プロジェクターが投影した大画面で、自然と子どもの世界観を広げるプロダクトを作る」でした。
それが「popIn Aladdin」になっていったのです。
「スマートバスマット」は、2つの経験が発想の原点にあります。
1つは、父が急に亡くなったときのことです。その直前、明らかに不自然なやせ方をしていました。もっと早い段階から体重の減少に気づいていれば、という後悔。
もう1つは、私自身、30代半ばから仕事が忙しくて健康診断の結果が悪くなり、ダイエットとリバウンドを繰り返していた時期に覚えた違和感。
個人が自分の健康を管理する上で、体重は重要なデータです。
しかし、どうして毎日体重を確認する必要があるのか?
体重の増減がストレスで、体重計に乗ること自体が嫌になっていきます。
ストレスを感じず、日々の変化や傾向を把握できる方法があればいいのに……。
そんな実体験からくる問いが、「スマートバスマット」へとつながっていったのです。
発想力は天才たちだけが持つ、天賦(てんぷ)の才ではありません。
個人的な体験に目を配る意識があれば、誰でも日常的なトレーニングによって確実に向上させることができます。 【次ページ】発想力を磨くおすすめの習慣、ただし1点だけ注意
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